歩行速度について~年齢別の平均、計算方法や求め方も解説~

投稿日:2017年11月28日 更新日:

歩行速度は、歩行能力を簡単に判断できる指標です。

他にも、転倒リスク、寿命の予測などにも活用できるといわれています。

でも、歩行速度の求め方や計算方法、年齢別の平均速度などの基準がわからなければ、計測してもあまり意味はありません。

なので、今回は、歩行速度の求め方や、年齢別の平均速度などを解説していきます!

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歩行速度の求め方・計算方法

歩行速度は「距離÷時間」で求められます。

例えば「10mを20秒で歩いた」とすれば、歩行速度は「10÷20=0.5」

1秒あたり0.5m歩くということになるので「歩行速度=0.5m/秒」となります。

場合によって「km/時」だったり「m/分」だったり単位を変えなくてはいけない場合もあります。

そんなときは、単位を変換してから歩行速度を計算しましょう。

歩行速度の計測方法

歩行速度は「通常速度」と「最大歩行速度」のどちらか、またはその両方で計測されます。

距離は5mまたは10mでの測定が一般的です。

リハビリ業界では、10mの直線を歩いた時間と、歩数を計測する「10m歩行テスト」がよく行われています。

10m歩行テストを計測すると下記の内容がわかります。

  • 時間
  • 歩数
  • 歩幅
  • 歩行速度(距離÷時間)
  • 歩行率(歩数÷時間)
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10m歩行テストは、歩行能力を評価するんやったら定番や!
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年齢別、性別での平均歩行速度

下記は、年齢別、性別ごとに3分間「ややきつい」と自分の感じる速さでその距離と歩行速度を測定したものです。

3分間の歩行距離と歩行速度

引用:厚生労働省.健康づくりのための運動指針 2006~生活習慣病予防のために~副題:エクササイズガイド 2006(案)P14

3分間「ややきつい」で歩くとかなり体力が消耗してしまって、歩行速度は一定ではなくズレが生じると思われます。

m/秒で表したい場合は「60」を割って算出してください。

 

下記は、年齢別の通常歩行速度、歩幅、歩行率です。

引用:阿久津邦男,歩行の科学,不昧堂出版,東京,p56-57,1975,

年齢別で最も速い歩行速度は、男性であれば30-34歳ですが、歩幅は20代とそれほど変わらないので、30歳になると急ぎ足になるようです。

シロマツ
働き盛りやからかな?

35歳以上で徐々に歩行速度は低下し始め、75歳以上になると30-34歳時と比較して、約6割程度になります。

 

また、こちらはアメリカ人のデータですが、遅い・通常・早い歩行速度で比較しています。

成人(20~59歳)の遅い・通常・早い速度での歩行特性

  SWS CWS FWS
  速度(m/min)
女性  37 78  99 
男性  48 82 110 
平均  43 80  105 
   ケイデンス(steps/min)
女性 68  118  137 
男性 76  108  125 
平均 72  113  131 
  重複歩(m) 
女性 0.89  1.32  1.24 
男性 1.03  1.51  1.57 
平均 0.97  1.42  1.47 

遅い歩行速度(SWS)、通常歩行速度(CWS)、早い歩行速度(FWS)

引用:Waters RL.Energy-speed relationship of walking standard tables.JOrthop Res.1988;6(2):215-222.

このデータでの通常歩行速度の平均は、男性82m/min、女性78m/minです。

アメリカ人は身長も大きいので、歩幅も大きいはずですが、先ほどの日本人の歩行速度と変わらない結果となっています。

これは、アメリカ人と比較して日本人は「小さな歩幅でセカセカと歩いている」ということになりますね。

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日本人は忙しいんやな・・・
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転倒しないために必要な歩行速度は?

歩行速度は、遅ければ遅いほど転倒すると考えてしまいがちですが、そうとは限りません。

Quach Lらは、高齢者を対象に快適歩行速度が遅い、少し遅い、健常者、速いグループの4つにわけて、転倒回数を調査を行い、その結果、遅い速度(0.6m/秒以下)または、速い速度(1.3m/秒)のグループで、転倒発生率が高かった。と報告をしています。

参照:Quach L:The nonlinear relationship between gait speed and falls: the Maintenance of Balance, Independent Living, Intellect, and Zest in the Elderly of Boston Study.J Am Geriatr Soc. 2011 Jun;59(6):1069-73

 

速い歩行速度グループで転倒リスクが高かったというのは意外な結果ですが、このグループの転倒場所は主に屋外で、何らかの障害物と接っすること多かったという結果でした。

大事なことはその場所に適した歩行速度を調整できる能力なのかもしれません。

シロマツ
大事なのは、環境に合わせて歩行速度をコントロールする能力なのかも

 

生活に最低限必要な歩行速度については、様々な研究がされており、研究者によってもその値は異なりますが、下記のように言われています。

  • 屋内歩行:歩行速度「0.41m/秒」、10m歩行「24.6秒」
  • 屋外歩行:歩行速度「0.86m/秒」、10m歩行「11.6秒」

屋外歩行に必要な歩行速度は、約0.8m/秒ですが、その値はサルコペニアの診断基準にも使用されているので、1つの判断基準になります。

関連記事>>サルコペニアの予防とリハビリ。効率的な栄養補給と運動療法を解説!

 

また屋外での歩行速度で重要なことは「制限時間内に横断歩道が渡りきれるか?」です。

信号が青から赤に変わるまで横断歩道を渡り切れなければ、安全に移動できません。

実際には、横断歩道を渡り切るには、1mを1秒(1m/秒)での歩行速度が必要であるといわれています。

130ヵ所の横断歩道の青信号の点灯点滅時間を調べ, 横断に必要な速さを算出した。その結果, 9割以上の横断歩道を渡るには1m/secの速さが必要であることがわかった。これを歩行評価基準の一つとすべきであるし, 訓練においてもこの速さを獲得すべきである。

引用:高橋ら,歩行評価基準の一考察 : 横断歩道の実地調査より,Vol.15 Suppl.第23回日本理学療法士学会誌 第15巻学会特別号,p.98,1988

横断歩道を渡り切る以外にも、1,0(m/秒)以下になると下肢障害や入院脂肪の危険性が上昇するとの報告もあります。

参照:Cesari,M: Prognostic value of usual gait speed in wellfunctioning older people-results from the Health, Aging and Body Composition Study, Journal of the American Geriatrics Society, 53, 1675-1680, (2005)

 

シロマツ
1m/秒で歩けるっていうのは、一つの大事な基準やな!

まとめ

歩行速度の年齢別の平均や、求め方、転倒リスク等についてまとめました。

いつまでも、健康でいるために、家族や自分自身の歩行速度に目を向けても良いかもしれません。

シロマツ
最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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  • この記事を書いた人

シロマツ

訪問看護ステーションで理学療法士として働いています。 脳卒中などの中枢神経疾患や整形疾患、呼吸器疾患の方など対象に幅広く理学療法を行っています。

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