こんにちわ。理学療法士のシロマツと申します。
皆さんもご存じの通り、リハビリテーション専門職の理学療法士の国家試験の難易度は徐々に上がってきています。
過去問を暗記するだけではなく、問題の意図から選択項目の奥の奥まで理解する必要性が出てきました。
そのため、参考書選びとその使い方が合否を分けるといっても過言ではありません。
参考書は必需品です。
参考書無しに国家試験に挑むのは、ヒノキの棒でミルドラースに挑んでいるのと一緒です(ドラクエ5のラスボスだよ)
参考書には、それぞれ特徴があって、うまく使えば効率よく学習ができますよ。
今回は、私が実践した国家試験に向けての効率的な勉強方法とおすすめな参考書を紹介させて頂きます。
目次
参考書を使う上で注意すること
参考書を使う上で注意することがあります。
それは、参考書にメモや回答を記載するとき「必ず赤ペンで記載する」ことです。
参考書はこれから、何度も何度も見返すことになります。
黒のボールペンなどで答えを書き込むと、後々、解き直すときに見えてしまって勉強になりません。
でも、赤いペンで書いた場合、その上に赤い下敷きを乗せることで文字が消えるので、しっかりと思い出しながら勉強することができます。
なので、必ず赤ペンで記載していくことをおすすめします。
それでは、おすすめの参考書と併せて、国家試験の勉強法をステップ方式で解説していきますね!
STEP1:まずは、10年分の過去問を解く!
国家試験の勉強って、まず、何から手をつけていいのやらわかりませんよね。
よく「過去問は最低でも10年分を完ぺきに解けなくてはならない!」という話を聞きますが、それは本当の話。
国家試験は過去問から出題されるといっても過言ではないのです。
10年分の問題をしっかり暗記して、応用問題を出題されても解けるようにしないといけません。
でも、過去10年分、全部で2000問の問題を、最初から覚えられるわけない!
なので、間違っていても良いので、まずは、年数順に10年分の過去問を解いていきましょう。
ここで、おすすめなのは、医歯薬出版さんの「理学療法士・作業療法士 国家試験問題、回答と解説」です。
参考書で過去5年分、CD-ROMで5年分、合計10年分の問題・解説が記載されています。
ほとんどの参考書が項目別で問題を掲載しているのに対して、医歯薬出版さんの参考書は国家試験そのままの出題順でなおかつ解説付きなのが特徴。
そう。国家試験全体を把握するには一番の良書なのです!
デメリットは、問題と一緒に回答が右端に記載されてるところです・・・
これだと答えが目に入ってしまって勉強にならないので、ぼくは赤い下敷きの右半分に黒テープを貼って回答を隠しながら解いていました。
こんな感じ。
各項目ごとの解説はそれほど細かくは書いていません。
あくまでざっくりとした解説なんですが、ほかの参考書にはない視点で解説している問題もあるので、必ず一度は目を通したい参考書です。
さて、ここから10年分の過去問を解く上で、重要なポイントを3つご紹介。
10年分の過去問を行う上で重要なポイント
- 今の実力を知り、危機感を持とう
- 今解ける問題を覚える
- 過去問は必ず古い順で行って傾向を把握する
今の実力を知り、危機感を持とう
国家試験は合格率が高いからどうしても舐めてしまいがち。
でも、余裕ぶってる人ほど、落ちるのが国家試験。
なので、まずは、国家試験を10年分説いてみて
「このままではヤバい。不合格になるのかもしれない・・・」
という、その不安な気持ちや危機感を感じて下さい。
危機感を感じないといつまで経っても人間はノンキですからね。
勉強するたびに、自分の成長がわかると思います。
その自信が国家試験を受験する上で大きな自信に繋がります。
今解ける問題を覚える
中には、国家試験の勉強をしていなくても、解けるサービス問題がいくつかあります。
その問題をしっかりと解いて理解して覚えて下さい。
過去問は必ず古い順で行って傾向を把握する
古い問題ほど、難易度が低く、年数が増えるごとに徐々に複雑となり難易度が上がります。
よく出題される問題や傾向がどう変化しているかがわかるので、何となくでよいので感覚を掴んで下さい。
STEP2:基礎・臨床医学の問題から取り掛かろう!
次に問題を年数順ではなく、項目別に勉強して詳細な内容をインプットしていきます。
国家試験の問題は、大まかに2種類あります。
- 基礎・臨床医学
- 専門問題
どちらから、先に勉強すれば良いかというと
間違いなく基礎・臨床医学から。
理由は3つ。
- 範囲が広いため、早く勉強しておいたほうが後々になってラク。
- 基礎・臨床医学を完璧にすることで、解ける専門問題があるから
- 実習後に実地問題を勉強した方がイメージし易いから
基礎・臨床医学の出題範囲はとても広いです。
これらをインプットしたうえで、実地問題を解くとスムーズに解けます。
なぜかというと、専門問題は、基礎医学・臨床医学がベースとなっている問題が多いから。
例えば基礎医学・臨床医学のこんな問題・・・
parkinson病で認められるのはどれか。2つ選べ
- 反張膝
- 前傾姿勢
- 突進歩行
- 大殿筋歩行
- はさみ足歩行
答え:2.前傾姿勢、3.突進歩行
引用:第45回.理学療法士国家試験.午前92問
よくあるパーキンソン病の問題です。
この問題を理解するには、パーキンソン病の4大徴候、歩行の特徴を学ばないといけませんよね。
そして、専門問題・・・
parkinson病患者の歩行の特徴はどれか。2つ選べ
- 立脚期への体幹の側屈
- 腕振りの消失
- 体幹の側屈
- 反張膝
- 下垂足
答え:2.3
引用:第44回.理学療法士国家試験.専門問題.63問
最初に紹介した臨床医学の問題がわかれば、解けますよね。
基礎・臨床医学から勉強していると、スムーズに解ける専門問題が多いので、非常に効率的です。
また、専門問題は臨床実習で培った内容を問われる問題が多くあります。
国家試験の集中的に勉強をする4年生は長い臨床実習を予定しているので、実習終了後に集中的に実地問題を本格的に行った方がイメージが湧きやすく、とっつきやすいです。
もちろん、実習に行く前に専門問題を制覇しておく方がベストですが、優先順位は、必ず【基礎・臨床医学(共通問題)>専門問題】です。
STEP3:効率よく勉強できる参考書・方法を決めよう!
優先順位がわかったところで、項目別で勉強していくために参考書を選ばないといけないわけですが
どうしたら一番効率良く、無駄のない勉強ができるのかというと・・・
「国家試験必修ポイント」と「クエッションバンク」を使って、「国試の達人の別冊問題集」を繰り返し解く
という方法です。
国試の達人シリーズ
国家試験を項目別に学習していくうえで、一番重要な参考書は「アイペックさんの国試の達人シリーズ」です。
国試の達人って実は書店で置いているとこが少ないんです。
本屋さん6軒くらいまわってやっと手に入れましたが、今はネットですぐ購入できるから便利ですね。
国試の達人は、問題解説などはなく、国家試験に必要な知識や表などがシンプルに羅列されています。
丸暗記には適していますが、問題を理解するには適していません。
では、なぜ国試の達人の何が1番素晴らしいかと言うと
別冊についている、項目別問題集です。
これがめちゃくちゃ使える。
項目別問題集の良いところ
- 各項目別に年数順に並んでいるので、問題の出題傾向がわかる。
- 別冊を解くことで過去15年版の問題をほぼコンプリートできる
- 問題集が薄くて軽いので、持ち運びに便利。
他の参考書だと、項目別にわけられていても、過去何年か分の「主要な問題」のみが掲載されていて、そのほかの問題が記載されていないんですよ
ということは、他の参考書のみで勉強していては「問題漏れ」があるってこと。
この漏れが、国家試験の本番に響いてきます。
確実に合格するには最低でも10年分の過去問、2000問をコンプリ―トする必要がありますが、国試の達人の項目別問題集なら過去15年分の問題が、項目別に並んでいるので、効率よく勉強できます。
そんな「国試の達人の項目別問題集」を解いていく上で、おすすめな参考書を2冊ご紹介。
- 医歯薬出版さんのPT/OT国家試験必修ポイント
- クエスチョン・バンク 理学療法士国家試験問題解説。通称、クエバン
PT/OT国家試験必修ポイント
医歯薬出版さんのPT/OT国家試験必修ポイントは、項目別で詳細な解説が記載されているのが特徴。
amazonなどで検索して頂いたらわかりますが、PT/OT国家試験必修ポイントは4冊でコンプリートできます。
- 基礎医学編
- 臨床医学編
- 基礎PT学編
- 障害別PT治療学編
医歯薬出版さんのPT/OT国家試験必修ポイントの何が良いのかというと
暗記すべきポイントがキレイにまとまっており、覚えやすい。
これに尽きる。
そのまとめた表や図を覚えるとほとんどの問題が解けてしまう。
デメリットとしては
- 問題と解説が一緒でセパレートではないため、持ち運びが面倒。
- 過去10年分のすべての問題が記載されていない(問題の勉強漏れがある)
- 問題の解説が薄め。
というところでしょうか。
でも、非常に良くまとめられた表や図は、素晴らしいです。
効率良く学ぶには必須の参考書と言えます。
クエスチョン・バンク 理学療法士国家試験問題解説
PT/OT国家試験必修ポイントは、解説内容が少し薄くて物足りないんですが、それを埋めてくれるのが
クエスチョン・バンク 理学療法士国家試験問題解説。通称、クエバンです。
クエバンは「共通問題(基礎医学・臨床医学)」と「専門問題」の2冊です。
一冊が非常に分厚く、過去問の広範囲をカバーできています。
クエバンの良いところは、
- 暗記しやすい工夫が凝らされている。
- 解説がめっちゃ詳しく明記されている
の2つです。
例えば、全身性エリテマトーデスの特徴は
- 20~40代の女性に多い
- 発熱
- 蝶型紅斑(バタフライ・ラッシュ)
- 日光過敏症
- 口内炎
覚えるのが大変ですが、クエバンには赤面の美少女がイラストで書かれており、特徴が覚えられました。
そのイラストが萌え系でかわいいんですよね。
クエバンにはそういったインパクトのあるイラストや覚えやすい語呂も書いてあるので、暗記しやすい工夫が凝らされています。
そして、解説がめちゃ丁寧。
しっかりと一問ずつ理解できます。
PT/OT国家試験必修ポイントは真面目でシンプルですが
クエバンは楽しみながら勉強できるって感じ。
私は、PT/OT国家試験必修ポイントとクエバンを片手に、ひたすら国試の達人、項目別問題集を赤ペンで解きまくりました。
STEP4:理解している問題は解かない
国試の達人の別冊問題集を繰り返し説いていくと、ほぼ完全に暗記して理解した問題が出てきます。
そんな問題を繰り返し説いていたら時間の無駄なので、付箋を貼るなどしてもう解かなくても良いように省きます。
よく間違う問題や、理解が難しい問題に集中できるようにしましょう。
STEP5:過去問をマスターすれば、アイペック模擬試験に挑戦
過去問をマスターした方は、必ずアイペック模擬試験を受験しましょう。
アイペック模擬試験とは、国試の達人を出版しているアイペックが主催している養成校や個人でも受験できる模擬試験です。
毎年12月~1月の間に合計4回あり、自分の全国の順位や、苦手分野などがわかります。
国家試験の過去問とは違い、めちゃ難しくて凹む学生も多いのですが、自分の弱点がわかるので非常に重要な試験です。
苦手な分野を把握してひたすら鍛えるためにも、必ず受験するようにしましょう。
STEP6:実戦形式で過去問をひたすら解く
過去10年分の過去問をすべて間違いなく解けて、問題を解くための必要な知識を網羅した方は
実践を同じように、10年分の過去問を1年ずつ、時間を計測しながら問いてください。
そして、間違えた問題をひたすら覚えて、対策を立てて下さい。
当日まで体調に気をつけて下さいね!
参考書をヤフオク、メルカリ、amazonなどで売る。
これで、長い長い国家試験の勉強は終わりです。
たくさん有益な情報を書き込んだ参考書とはおさらばです。
さぁ、捨てよう・・・ってもったいないですよね?
きっとあなたの手によって、書き込まれた参考書は新品で買ったときよりも、人によっては2倍、3倍の価値があります。
次に国家試験に挑む、学生さんに売りましょう。
amazonでも売れますし、メルカリやyahooオークションでも売れます。
ちなみに私は、参考書6冊セットを、約1.6万円で売りました。
古本屋に売れば二束三文ですが、ネットで直接必要としている人に売れば高値で売れます。
その浮いたお金で、ご両親にご飯でも食べさせてあげましょ!
まとめ
私が行っていた勉強方法・手順とおすすめ参考書を紹介させていただきました。
もちろん、ベストな勉強方法は人によって違いますが、少しでもお役に立てれば幸いです。
参考書はそれぞれ長所と短所があるので、複数の参考書でそれらをカバーし合う必要があると思います。
もし、効率オタクの僕が国家試験の参考書を作るなら
- 項目別に過去10年分、2000問コンプリートしている
- 問題が項目別に小さく印刷されていて、持ち運びがしやすい。
- 尚且つ、別冊に詳しい解説書がついている。
こんな問題集をつくるかなぁ・・・
もう僕は国家試験を受けることはないのですが、未来の理学療法士のために誰か作ってください!(笑
