歩行に必須!ロッカーファンクションと倒立振り子モデルの機能と役割

投稿日:2017年8月7日 更新日:

歩行を分析するときって、見るべきポイントが多くて困りますよね。

何からしていいのやら・・・

ですが、歩行のメカニズムを理解することで、見るべきポイントが搾れます。

この記事では、歩行のメカニズムを理解する上で重要な「倒立振り子モデル」&「ロッカーファンクション(ロッカー機能)」を解説します。

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倒立振り子モデルとは?

人間の歩行を簡素化すると、振り子を逆さまにした『倒立振り子モデル』というモデルで表せます。

文字通り、振り子が倒立(逆さま)になっています。

床に接触している部分を支点に、重りが回転します。

二足歩行に例えると、棒=足、重り=重心となり、位置エネルギーを運動エネルギーに繰り返し変換することにより、最小限の運動で前方へ進むことができます。

 

位置エネルギーを運動エネルギーに変換って・・・?

ややこしいなぁ。と思った方!とても簡単なんですよ!

歩行の位置エネルギーと運動エネルギーの関係

歩行時の位置エネルギーを運動エネルギーの関係で、よく例えられるのは、ジェットコースターです。

ジェットコースターが一番高い位置にあるとき、位置エネルギーは最大になります。

そこから、勢いよく滑り降りてきて、運動エネルギーに変換され、前に進みます。

そして、そのままその勢いを利用して、一番高い位置まで登り、また勢いよく滑り降り・・・ということを繰り返しています。

 

二足歩行に言い換えると、二本の足が交互に、重心を上下に移動させて、位置エネルギーを運動エネルギーに変換することを繰り返している。と言えます。

この方法だと、わずかな力だけで前に進めることが理解できると思います。

もし、重心が上下せず、ずっと一定の高さの場合、位置エネルギーを運動エネルギーに変換できないので、筋力によってしか前へ進む力を産み出せません。

そのため、非常に疲れやすくなるのも想像できるでしょう。

効率良く歩くために、重心が上下移動することは重要なのです。

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ロッカーファンクション(Rocker function)の機能と役割

次に理解しておかなかればならない機能はロッカーファンクション(ロッカー機能)です。

ロックンロールのロッカーではありませんよ!

ロッカーは、揺り軸、揺り子という意味です。

画像のように、揺り軸がついた椅子をロッカーチェアーと言います。

歩行時の足部は、このロッカーチェアの足元のように、揺れ軸があり、似た働きをしています。

歩行時の足部は

  1. 地面に踵から着く
  2. 足裏全体が着く
  3. 踵から離れる

この3場面の動きで、それぞれ3つの回転軸が存在します。

 

その回転軸をそれぞれ

  • ヒールロッカー
  • アンクルロッカー
  • フォアフットロッカー

と呼び、三つあわせて ロッカー機能=RockerFunction と呼ばれます。

それぞれの機能や役割を解説していきます。

ヒールロッカー(Heel rocker)

ヒール=踵という意味です。

ヒールロッカーは踵を支点として回転します。

役割は、2つあります。

  • 衝撃吸収
  • 前方への重心移動

重心の一番高い位置は、完全に膝が伸び切っている立脚中期ですが、一番低いのは、踵接地時で、その差は「2㎝」と言われています。

また、一番高い重心位置から、踵接地する際に体重の1,3~1,5倍程度の強い衝撃を受けます。

ですが、前脛骨筋、大腿四頭筋、脊柱起立筋などが遠心性収縮し、衝撃を吸収してくれているので、私たちは、円滑な歩行が実現できています

もし、遠心性収縮ができなければ、身体は強い衝撃を受けることになり、たちまち歩行に悪影響を及ぼします。

 

ヒールロッカー機能で、最も重要な筋は、「前脛骨筋」です

関連記事>>前脛骨筋の筋力トレーニングやストレッチ、神経支配、起始、停止を解説!

 

前脛骨筋の働きで、足関節を背屈させ、踵接地が可能となるので、ヒールロッカーが実現できています。

脳卒中の後遺症などによく見られる「下垂足」など前脛骨筋の収縮ができない場合は、ヒールロッカー機能がうまく使えません。

なのでそういった方は、SHB(シューホーンブレース)などの短下肢装具を装着し、足関節を中間位~背屈位に保ってヒールロッカーを実現させます。

 

シロマツ
この時期は、きちんと踵が接地しているか?を観察しよう!

アンクルロッカー(Ankle rocker)

アンクル=足首という意味です。

このアンクルロッカーは、足関節を中心として回転し、重心を最高位まで移動させます。

アンクルロッカーの働きは、前期と後期にわけられます。

前期の役割:速度をヒラメ筋の遠心性収縮などで減速しながら、心を最高位まで持ち上げる

後期の役割:最高位から、重心が下方へ落下する。落下速度を減速させるため、、ヒラメ筋や腸腰筋が遠心性収縮する。

後期では、腸腰筋やヒラメ筋などを遠心性収縮させて、加速にブレーキを掛けます。

 

シロマツ
この時期は、しっかりと重心が最高位まで上昇しているかを確認しよう!
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フォアフットロッカー(Forefoot rocker)

フォアフット=前足部という意味です。

フォアフットロッカーは、中足指節関節(MP関節)を回転軸として、重心を更に前方へ移動させます。

この時期は反対側の足が、スウィングし踵接地に移行しようとしている最中です。

もし、回転軸が足関節のままだと、重心位置が下方へ移動するため、反対側の下肢が十分に前方へスウィングする時間が足りなくなってしまいます。

そのため、回転軸を「アンクル=足首」から「フォアフット=前足」に切り替えることにより、重心位置の下降を緩やかにできるので反対側のスウィング時間が稼げます。

またこの時期で重要な筋は「腓腹筋」です。

腓腹筋が筋収縮することで、前方への推進力が得られます。

この腓腹筋を使用して地面と蹴ることを「プッシュオフ」と呼びます。

このときの腓腹筋は、最大収縮の80%程度働くとも言われています。

シロマツ
この時期は、プッシュオフが見られるかを確認しよう!

まとめ

歩行のメカニズムを理解する上で重要な、倒立振り子モデルとロッカー機能をご説明しました。

なかなか、歩行分析を行う場合、見るべきポイントが多すぎて、難しいですよね。

まずは今回ご説明した、ロッカーファンクションの3つが実行できているか???という視点から見てみると、わかりやすいですよ!

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  • この記事を書いた人

シロマツ

訪問看護ステーションで理学療法士として働いています。 脳卒中などの中枢神経疾患や整形疾患、呼吸器疾患の方など対象に幅広く理学療法を行っています。

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