らせん関節の種類は?蝶番関節との違いや国家試験での覚え方を解説!

らせん関節と蝶板関節の違い

らせん関節はどんな動きをするの?何軸?
らせん関節の種類を知りたい!?

という方に向けて、本記事ではらせん関節の種類や蝶板関節との違い、国家試験対策での覚え方を徹底的に解説していきます!

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らせん関節の種類一覧

まず、結論から。

らせん関節は下記の3つの関節です。

  • 椀尺関節
  • 膝関節(脛骨大腿関節)
  • 距腿関節

理学療法士、作業療法士国家試験にも適応していますので、このように覚えていただいて問題ありません。

らせん関節の覚え方・語呂合わせ

巨大(距腿)なひざ(膝)との晩酌(椀尺)は、ラセン階段で!

とても覚えやすいですね。どうぞ国家試験の暗記にお役立てください。

これから、らせん関節を詳細に解説していきます。

らせんとは?

まず螺旋(らせん)とは・・・

螺旋(らせん、羅: helice, 英: helix)とは、3次元曲線の一種で、回転しながら回転面に垂直成分のある方向へ移動(上昇または下降)する曲線である。

引用:螺旋 Wikipediaより

回転しながらある一定の方向へ進んでいくというイメージですね。

らせん階段

らせんの代表格を言えば、上記の画像のらせん階段です。わかりやすい良い例ですね。

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らせん関節とは?蝶板関節との違い

では、関節を「らせん」と表現した「らせん関節」ですが、リハビリ学生で知らない人はいないであろう基礎運動学から引用しますと・・・

蝶番関節の変形とみるべきもので、一方の関節面が隆起、他方が溝状となる。

運動軸は骨の長軸と直角ではなく、鋭角で交わり、運動はらせん状となる。

引用:中村隆一・齋藤宏・長崎浩 著,基礎運動学 第6版.P63

蝶番関節とは、骨が特定の1軸のみを中心として動く1軸性です。

そして運動軸が骨の長軸と直角の性質を持ちます

一方でらせん関節は1軸性で運動軸が骨の長軸と鋭角な性質を持ちます。(鋭角:直角より小さい角度)

なのでらせん関節は蝶板関節とは違って「らせん階段を昇るような回転に伴い垂直な平面からずれていく」という性質を持ちます。

 

下記は蝶板関節とらせん関節のそれぞれの種類です。

蝶板関節 らせん関節
  • 指節間関節
  • 趾節間関節
  • 椀尺関節
  • 膝関節(脛骨大腿関節)
  • 距腿関節

らせん関節の間違えやすいポイント

ここかららせん関節の勘違いしやすいポイントを解説していきます。

  • 椀尺関節は、らせん関節?車軸関節じゃないの?
  • 膝関節は、らせん関節? 顆状関節っぽい!
  • 距腿関節は、らせん関節? 蝶板関節?どっち?

椀尺関節はらせん関節?車軸関節じゃないの?

肘関節はらせん関節?
いやいや!車軸関節でしょ!

というように、勘違いされている方もいらっしゃるので要注意です。

 

肘関節は3つにわけられます。

  • 腕尺関節・・・らせん関節
  • 椀橈関節・・・球関節
  • 上橈尺関節・・・車軸関節

正しくは、肘関節の椀尺関節が、らせん関節です。

なぜ椀尺関節が、らせん関節なのかというとそれは肘角があるからです。

肘角は、上腕長軸と前腕骨長軸でつくられる角度です。

成人男性では10°、小児や女子では15°以上になることもあります。

覚えておこう!

  • 椀尺関節はらせん関節。理由は肘角があるから。
  • 成人男性では10°、小児や女子では15°以上。
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膝関節はらせん関節? 顆状関節?

膝関節は顆状関節でしょ?
いやいや!蝶板関節だよ!

膝関節は様々な関節が言われていてややこしいですよね。

膝関節は、大きくわけて2つにわけられます。

  • 膝蓋大腿関節
  • 脛骨大腿関節

そして世間一般での膝関節は脛骨大腿関節を指していることが多いです。

脛骨大腿関節は形状的には顆状関節ですが、機能的にはらせん関節とされています。

ココがポイント

膝関節は書籍によって顆状関節であったり、蝶番関節など様々な記載がありますが、国家試験対策ではらせん関節と覚えておいて問題ありません。

なぜ膝関節が「らせん関節」なのか?理由は生理的外反があるからです。

生理的外反の理由は、大腿骨の骨頭部の頚体角という角度が影響しているのです。詳細は下記記事を参照して下さい。

膝関節のFTA(femoro-tibial angle)とは?計測方法や生理的外反の理由を解説!

続きを見る

距腿関節はらせん関節?蝶板関節?

距腿関節は蝶板関節でしょ!
いやいや、らせん関節だよ!

距腿関節は。底屈、背屈の1軸性のらせん関節です。

えっ?内外転もできるって聞いたよ!

実際には、距骨滑車の幅は後方よりも前方が約5mm広いために、底屈位では関節の遊びがあり、わずかに内転、外転が可能となります。

ですが、教科書的には1軸性とされています。

 

距腿関節の運動軸は、解剖学的肢位の場合、外果と内果下部を結んだ線になります。

外果は内果よりも後方に位置するため

横断面で見た場合、水平軸と比較して、23°±9°外側下方に傾いており

冠状面後方から見た場合、水平軸と比較して14°±4°外側下方に傾いているとされています。

距腿関節横断面運動軸
距腿関節冠状面運動軸

なので足関節は、運動軸が鋭角であるため、背屈を行うと同時に回外方向に運動して、底屈を行うと同時に回内回内運動が起こります。

まとめ

らせん関節について解説しました。

非常に覚えにくいらせん関節ですが、語呂で覚えるのも良し。

椀尺関節、脛骨大腿関節、距腿関節とそれぞれ、なぜらせん関節なのか?と意味付けて覚えるのも良いと思います。

この記事があなたの役に立ったのならうれしいです。

シロマツ
最後までお読みいただきありがとうございました!
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