という疑問にお答えします。
わたしは経験年数10年を超える理学療法士です。
今まで数百人もの患者さんを担当して、動作の実用性を評価してきました。
この記事を読むことで以下のことがわかります。
この記事でわかること
- 動作の実用性5つの要素
- 5つの要素の評価方法
覚えておこう!実用性5つの要素
みなさんは動作分析をするときに、まず何から見ますか?
関節角度、重心、目線、足元・・・
たくさん見る箇所があって困りますよね。
でも、実用性の要素を理解すると複雑な動作分析もシンプルに捉えることができます。
動作の実用性5つの要素
- 安全性
- 安定性
- 耐久性
- 速度性
- 社会性
日常生活の動作でどれか一つでも欠けてしまうと、何らかの介助が必要になります。
動作を見るときは、それぞれの要素が欠如していないかを評価しましょう。
安全性
動作が安全に遂行できているのかを評価します。
例:100mを10秒で駆け抜けたとしても、途中で転んでいたら、安全性があるとは言えない。
安定性
動作が毎回安定して遂行できているのかを評価します。
例:昼は安全に歩けるが、夜にふらついて転倒していては、動作の安定性があるとは言えない。
耐久性
動作に耐久性があるのかを評価します。
例:どれだけ安全に歩けても、10mで疲れて、歩けなければ、耐久性があるとは言えない。
速度性
動作に速度性があるのかを評価します。
例:近所のコンビニまで50m程度なのに2時間も掛かっていれば、速度性があるとは言えない。
社会性
動作に社会性があるのかを評価します。
例えば、ハトのように頭をすごく揺らしながらでしか歩けない人がいるとしたら・・・
少し怖くて近づけないですよね。(そんな人いませんが・・・笑)
これは、社会性が低下している。といえます。
でも、その人自身がその動作を容認して、社会全体がその人が持つ障害を理解できていればまったく問題ないのですが・・・
障害が個性として見られ、世の中に容認されていけば良いなぁ。
社会性という項目はいずれは、無くなるんじゃないのかな?なんて思ったりもしています。
このように動作の実用性は上記の5つの要素により構築されます。
そのヒトにとって、優先順位が高い要素を考える。
動作分析をするときに、まずは実用性の5要素で何が必要で欠如しているのか?をざっくり見ましょう。
実用性の5要素のうち優先順位が1番高いのは安全性です。
なので、まずはその動作の安全性を評価していきましょう。
安全性がクリアできていたとすれば、その他の要素を評価していきましょう。
実用性の5要素を評価してみよう!
では、どのような形で実用性を評価していくのか、例で考えてみましょう!
「自分で歩いてベッドから3m離れたトイレに行きたい!」という患者さんの場合・・・
患者さんの身体機能面
- 時々ふらつきがあり、転倒してしまう。
- 速度は10m/20秒程度。
- 10m程度歩くと疲れてしまう。
上記の身体機能面で「歩いてベッドから3m離れたトイレに行く」には、実用性の5つの要素のうち、欠如している要素はどれでしょうか?
考えてみましょう!!!
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実用性5つの要素を評価!
- 安全性=×(転倒してしまうため)
- 安定性=×(動作が毎回安定して遂行されていない)
- 速度性=◯(問題のない速度)
- 耐久性=◯(3mであれば問題ない)
- 社会性=◯(屋内での移動なため)
上記の結果から、優先的に評価してアプローチすべき要素は安全性、安定性となります。
というように、それぞれの要素にわけて、問題点を列挙することにより、考え方がシンプルにまとまります。
実用性を反映させた動作分析の書き方はこちら
まとめ
リハビリでの動作の実用性、5要素について解説しました。
動作分析を行って問題点を考える際に「安全性・安定性・耐久性・速度性・社会性」で捉えることで、考えが整理し易くなります。
是非、臨床でお役立て下さい!