英語が読めなくてもできる!療法士のための医学英語論文の読み方!

英語論文って翻訳するのに時間が掛かかりますよね。

英語が得意な人なら良いですが、苦手な人は、まず何からとりかかったら良いのやら…と思う方も多いと思います。

私は昔から英語が大嫌いで、毎回テストで欠点を取っていたんですが、理学療法士になってから研究するようになって英語論文を翻訳せざる終えない状況になりました・・・

最初は全く読めなかったですが、徐々にコツがわかってからスイスイ翻訳できるようになりました。

今回は、こんな私でもできた英語論文の読み方を皆さんにお伝えできればと思います。

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何のために英語論文を訳すのか?目的を明確化する。

なぜ英語論文を翻訳したいのでしょうか?

目的は様々ですが、その目的を明確にしないと先へは進めません。

  • とにかく全部翻訳したい。
  • その論文の概要を知りたい。
  • 記載されている過去の先行研究などを知りたい。

色んな目的があると思います。

その中で、とにかく一語一句完ペキに翻訳したい。という方は・・・大変ですが何とか根性で頑張ってください。

しかし、論文の大体の内容を知りたい方というや、その論文から何らかの情報が欲しいという目的の方は、どこに何が書いてあるのか?など論文の構造や特徴を理解することで大幅に時間を短縮することができます。

作業手順&おすすめの英語翻訳サイト

まさか、英語翻訳を電子手帳を片手に翻訳して、抄録に書き込んでいたりしていませんよね?

そんな人いないと思いますが、このIT社会でそれはナンセンスです。日が暮れてしまいますよ!

英語翻訳サイトを使用した翻訳作業手順は

  1. 抄録をpdfファイルでダウンロード
  2. 翻訳サイトに文章をコピー&ペースト
  3. 翻訳内容をワードや、メモ帳などに記録していく

この作業が基本となります。

Google翻訳

言わずと知れた翻訳サイトの王者。googel翻訳です。めちゃくちゃ高性能です。

それ以外の翻訳サイトはほぼ使えないと思います。

むしろ、googelが優秀すぎるんですよね。さすが天才集団です・・・。

究極の辞書‐産業翻訳だよ!全員集合!

天下のgoogleでも、専門分野の単語となると、少し疎い部分があります。それを埋めるのが、このサイト、究極の辞書‐産業翻訳だよ!全員集合!です。

(残念ながら「究極の辞書‐産業翻訳だよ!全員集合!」は、現在閉鎖しているようです。また使いやすいサイトを見つけましたら、ご紹介させていただきます。。。)

ここは、あらゆる専門分野の英単語が翻訳できるサイトです。

分野ツリーに書いているそれぞれの分野をクリックすることにより、専門分野を設定できます。

このサイトの特徴は、統計的なデータを用いて翻訳する。統計型辞書と言われる辞書なんです!

従来の翻訳ソフトの場合、その英単語に相当する日本語が数種類、表示されるだけです。

しかしこのサイトの場合、例えば「stoke」を翻訳すると66%は脳卒中、9%卒中、7%は発作に翻訳されているということをパーセンテージで表示してくれます。

これにより、英単語特有の微妙な表現でも、理解が進むと思います。協力な武器ですよ!

論文の構成を知ろう

論文は大体5つの構成によってわかれます。

それぞれ、書いている内容はほぼ予測がつきます。

1:abstract(概要)

背景・仮説を説明し、研究の目的を示す

2:Introduction(はじめに)

研究の背景が説明されている。

3:Materials and Methods(方法)

データの収集方法や実験方法、統計処理などが説明されている。

4:Results(結果)

データの結果が説明されている。

5:Discussion(考察)

得られたデータから、考察し、結論付ける。

6:References(参考文献)

引用したり、参考にした論文が記載されている。

上記の6つによって、構成されています。

これで大体、何が、どこに書いているか検討がつきます。

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翻訳の手順

ステップ1:アブストラクトを翻訳する

いきなり、抄録の初めから全て翻訳するのはNG!時間の無駄です。

まず、アブストラクトを翻訳して、大体の概要を知りましょう。

アブストラクトは、その論文の全ての内容が凝縮されています。

ですが、翻訳にも方法があります。ステップ2へ行きましょう。

ステップ2:段落ごとに大体でよいので、把握する

例えアブストラクトでも、上から全て一語一句、完ペキに翻訳するのは、あまり良い方法ではありません。

それぞれ、文章には、段落がついており、それぞれ、何について話をしているかがわかりやすく区切られています。

まずは、段落ごとに、コピー&ペーストでgoogle翻訳にぶち込みましょう。

例え、文脈がおかしくても、単語をつなぎ合わせることにより、大体こんなことが書いてあるということが予測できます。

そして、段落ごとに、翻訳した内容をメモをしましょう。

上記の手順で行い、段落ごとになにが書いているか、大体でよいので全体の内容を把握しましょう。

そして、詳しく翻訳すべき論文かどうかを検討します。

知りたい情報が記載されていそう!と判断したなら、ステップ3へ行きましょう。

ステップ3:知りたい内容の箇所を把握し、大体で翻訳する

具体的に知りたい情報がある場合、内容によって翻訳する箇所が変わってきます。

下記に大体どういうことが記載されているかを書いていますので、ご参考まで。

  • その分野の一般的に言われている情報や過去の先行研究について知りたい⇒Introduction(はじめに)(ルビが振っている段落を優先的に翻訳しましょう)
  • 研究の方法、材料、統計方法が知りたい⇒Materials and Methods(方法)
  • 結果やデータが知りたい⇒Results(結果)
  • どのような考えで、結論づけたのか?比較したデータや先行研究は?⇒Discussion(考察)
  • この研究の欠点は?今後の研究の課題や展望は?⇒Discussionの最後の方(考察の最後の方)

知りたい内容は、上記のそれぞれの箇所に記載されている可能性が高いです。

段落ごとに翻訳していきましょう。これもステップ2と同じで大体の内容がわかれば大丈夫です。

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ちょっとしたコツ

ここで、わたくが翻訳している際に行っているちょっとしたコツをお伝えします。

1:ルビが振っている文章は大事な情報源

もし、自分が研究や論文を書くために、とにかくその分野の一般的に言われていることや、過去の先行研究を知りたいという方は、とにかくルビが打たれている箇所を集中的に翻訳しましょう。

内容が自分の探している情報であった場合、自分の論文の引用文献などに使用してみても良いでしょう。(念のため、その論文は一通り読んで確認する必要はあります。)

2:ctrl+Fを使おう

この論文の中で脳卒中の歩行についての情報が知りたい!という場合、『ctrl+f』で文章に含まれている単語を検索できます。

例えば、『gait』と記載すれば、歩行の情報が含まれているであろう文章がわかります。

それに、含まれている文章を翻訳ソフトを使用して集中的に翻訳しましょう。

使いこなすと結構な時短になりますよ。

3:頻繁に出てくる単語にはラインを引こう

頻繁に出てくる英単語が必ずといっていいほどあります。

そのような単語は、ラインを引いておくことによって、一目見ただけでその単語の意味を理解できます。

例えば、下の論文に、赤が「gait」青が「stroke」のラインを引いてみました。

ラインを引いた単語が出現していることで、大体の内容を推測でき、論文全体を把握しやすくなります。

ステップ4:大体の内容が把握できたかった段落を細かく翻訳する

段落ごとにざっと翻訳した中で、意味や文脈がわからないという文章は、丁寧に時間を掛けて、細かく翻訳していきましょう。

このステップ4が一番しんどいかもしれませんが、頑張って下さい。

ステップ5:それぞれの段落の内容を組み合わせて、内容を把握する

仕上げです。それぞれの段落の意味がわかれば、あとは段落の内容を組み合わせて、全ての内容を把握しましょう。

論文に不要な箇所などはなく、言うならば、全て重要な情報です。

しかし、翻訳作業をスムーズに行うには、1から10まで全て翻訳するのではなく、キッチリと翻訳するべき箇所と、何となく理解できていれば良い箇所をわけることが重要です。

まとめ

療法士のための英文翻訳のコツ、ポイントをまとめました。

英語が苦手な人はとりあえず全文翻訳するのは、きわめて効率が悪いです。

まず、アブストラクトや、知りたい情報が記載している段落の一部を翻訳し、書いてある内容を大体で良いので把握していくことから始めましょう。

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