そういった方は、見るべきポイントを絞るために歩行のメカニズムを理解することが大事です。
この記事では、歩行のメカニズムを理解する上で重要な「倒立振り子モ
白衣のドカタ おすすめ参考書
歩行に関する本ならまずはこれ。
倒立振り子モデルやロッカーファンクションがわかりやすく説明されています。
倒立振り子モデルとは?
人間の歩行を簡素化すると、振り子を逆さまにした『倒立振り子モデル』というモデルで表せます。
文字通り、振り子が倒立(逆さま)になっています。
床に接触している部分を支点に、重りが回転します。
二足歩行に例えると、棒=足、重り=重心となって、位置エネルギーを運動エネルギーに繰り返し変換することにより、最小限の運動で前方へ進むことができます。
歩行の位置エネルギーと運動エネルギーの関係
歩行時の位置エネルギーを運動エネルギーの関係でよく例えられるのは、ジェットコースターです。
ジェットコースターが一番高い位置にあるとき、位置エネルギーは
そこから勢いよく滑り降りてきて、運動エネルギーに変換されて、
そして、そのままその勢いを利用して、一番高い位置まで登り、また勢い
二足歩行に言い換えると、二本の足が交互に、重心を上下に移動さ
この方法だと、わずかな力だけで前に進めることが理解できます。
もし重心が上下せずにずっと一定の高さの場合、位置エネルギー
なので、とても疲れやすくなるのも想像できます。
ロッカーファンクション(Rocker function)の機能と役割
次に理解しておかなかればならない機能はロッカーファンクション(ロッカー機能)です。
ロッカーは、揺り軸、揺り子という意味。
画像のように、揺り軸がついた椅子をロッカーチェアーと言います。
歩行時の足部は、このロッカーチェアの足元のように揺れ軸があって、似た働きをしています。
歩行時の足部は
- 地面に踵から着く
- 足裏全体が着く
- 踵から離れる
この3場面の動きで、それぞれ3つの回転軸が存在します。
その回転軸をそれぞれ
- ヒールロッカー
- アンクルロッカー
- フォアフットロッカー
と呼び、三つあわせてロッカー機能=RockerFunctionと呼ばれます。
ヒールロッカー(Heel rocker)
ヒール=踵という意味です。
ヒールロッカーは踵を支点として回転します。
役割は、2つあります。
- 衝撃吸収
- 前方への重心移動
重心の一番高い位置は、完全に膝が伸び切っている立脚中期です。
一方、一番低い位置は、踵接地時。
その差は「2㎝」と言われています。
また、一番高い重心位置から、踵接地する際に体重の1,3~1,
ですが、前脛骨筋、大腿四頭筋、脊柱起立筋などが遠心性収縮し、衝撃を吸収してくれています。
もし、遠心性収縮ができなければ、身体は強い衝撃を受けることに
ヒールロッカー機能で、最も重要な筋は「前脛骨筋」。
前脛骨筋の働きで足関節を背屈させて、踵接地が可能となるのでヒールロッカーが実現でき
脳卒中の後遺症などによく見られる「下垂足」など前脛骨筋の収縮
なので、そういった方はSHB(シューホーンブレース)などの短下肢装具を装着します。
そうすることで、足関節を
アンクルロッカー(Ankle rocker)
アンクル=足首という意味です。
このアンクルロッカーは、足関節を中心として回転し、重心を最高位まで移動させます。
アンクルロッカーの働きは、前期と後期にわけられる。
- 前期の役割:速度をヒラメ筋の遠心性収縮などで減速しながら、重
心を最高位まで持ち上げる - 後期の役割:最高位から、重心が下方へ落下する。落下速度を減速させるため、ヒラメ筋や腸腰筋が遠心性収縮する。
フォアフットロッカー(Forefoot rocker)
フォアフット=前足部という意味です。
フォアフットロッカーは、中足指節関節(MP関節)を回転軸として、重心を更に前方へ移動させる。
この時期は反対側の足が、スウィングし踵接地に移行しようと
もし回転軸が足関節のままだと、重心位置が下方へ移動するために
そのため、回転軸を「アンクル=足首」から「フォアフット=前
またこの時期で重要な筋は「腓腹筋」。
筋収縮することで前方への推進力が得られます。
この腓腹筋を使用して地面と蹴ることを「プッシュオフ」と呼びます。
このときの腓腹筋は、最大収縮の80%程度働くとも言われています。
動作分析 おすすめ記事
まとめ
歩行のメカニズムを理解する上で重要な、倒立振り子モデルとロッ
なかなか、歩行分析を行う場合、見るべきポイントが多すぎて、難
まずは今回ご説明した、ロッカーファンクションの3つが実行でき