ご存じの通り、理学療法士の国家試験の難易度は徐々に上がっています。
過去問を暗記するだけではなく、問題の意図から選択項目の奥の奥まで理解する必要性が出てきました。
そのため・・・
参考書選びとその使い方が合否を分けるといっても過言ではない。
参考書は必需品です。
参考書無しに国家試験に挑むのは、鬼殺隊に入隊してない頃の炭治郎が無惨様に挑んでいるのと一緒である。
参考書にはそれぞれ特徴があって、うまく使えば効率よく学習ができます。
この記事では、国家試験をほぼ満点で合格した超効率化オタクの私が実践した
国家試験の超効率的な勉強方法とおすすめな参考書をご紹介します。
という方は、以下のリンクをタップで飛べます。
理学療法士国家試験の参考書に対する考え方
絶対に参考書はケチるな
今回言いたいことはこれに尽きるかもしれません。
絶対に参考書はケチるな!!!!
国家試験の参考書は結構いい値段しますよね。
バイトで食いつないでいる学生からしたらかなりの痛手。。。
絶対に参考書はケチってはいけません。
親に借金してでも揃えましょう。
理由は、参考書を購入する金銭的損失よりも、国家試験に落ちて留年してしまった場合の金銭的損失の方が大きいからである。
当然ですが、留年するということは社会で1年間働ける機会を失ったということです。
もしそのまま国家試験をパスした場合、あなたは年収約350万円+1年間のキャリアを手にします。
20代の1年間のキャリアの価値は非常に大きい。50代の1年間の価値と大きく異なります。
でも国家試験で浪人した場合は、スズメの涙程度のバイトの給料を貰って、ただひたすら時間が過ぎていく。
ザッと損失を計算すると・・・
金銭的損失350万(理学療法士1年間の給料)=350~450万
20代の1年間のキャリア損失=100万以上
ざっと合計450万円以上は損しています。
もちろん「留年して結果的に良かった!」という方もいると思いますが、それは結果論であってできるなら避けたいですよね。
参考書は絶対にケチってはいけません。気になるものから購入しましょう。
参考書を使う上で注意すること
参考書を使う上で注意することがあります。
それは、参考書にメモや回答を記載するとき「必ず赤ペンで記載する」ことです。
参考書はこれから、何度も何度も見返すことになります。
黒のボールペンなどで答えを書き込むと、後々、解き直すときに見えてしまって勉強になりません。
でも、赤いペンで書いた場合、その上に赤いシートや下敷きを乗せることで文字が消えるので、しっかりと思い出しながら勉強することができます。
こういうやつ。
なので、必ず赤ペンで記載していくことをおすすめします。
国家試験の勉強法
STEP1:まずは、10年分の過去問を解く!
国家試験の勉強って、何から手をつけていいのやらわかりませんよね。
よく「過去問は最低でも10年分を完ぺきに解けなくてはならない!」という話を聞きますが、それは本当の話。
理由は、国家試験のほとんどは過去問から出題されるから。
10年分の問題をしっかり暗記して、応用問題を出題されても解けるようにしないといけません。
その通り。なので、最初は間違っていても良いので、まずは年数順に10年分の過去問を解いていきましょう。
ここでおすすめなのは、医歯薬出版さんの「理学療法士・作業療法士 国家試験問題、回答と解説」である。
白衣のドカタ おすすめ参考書
参考書で過去5年分、CD-ROMで5年分、合計10年分の問題・解説が記載されている。
ほとんどの参考書が項目別で問題を掲載しているのに対して、医歯薬出版さんの参考書は国家試験そのままの出題順でなおかつ解説付きなのが特徴。
シンプルイズベストなのだが、国家試験全体を把握するには一番の良書なのである。
デメリットは、問題と一緒に回答が右端に記載されてるところ。
これだと答えが目に入ってしまって勉強にならないので、私は赤い下敷きの右半分に黒テープを貼って回答を隠しながら解いていた。
こんな感じ。
各項目ごとの解説はそれほど細かくは書いていない。
あくまでざっくりとした解説なんですが、ほかの参考書にはない視点で解説している問題もあるので、必ず一度は目を通したい参考書。
さて、ここから10年分の過去問を解く上で、重要なポイントを3つご紹介。
10年分の過去問を行う上で重要なポイント
今の実力を知り、危機感を持とう
国家試験は合格率が高いからどうしても舐めてしまいがち。
でも余裕ぶってる人ほど、落ちるのが国家試験。
なので、まずは国家試験を10年分説いてみて
という、その不安な気持ちや危機感を感じて下さい。
危機感を感じないといつまで経っても人間はノンキですからね。
勉強するたびに、自分の成長がわかると思います。
その自信が国家試験を受験する上で大きな自信に繋がります。
今解ける問題を覚える
中には国家試験の勉強をしていなくても、解けるサービス問題がいくつかあります。
その問題をしっかりと解いて理解して覚えて下さい。
過去問は必ず古い順で行って傾向を把握する
古い問題ほど、難易度が低く、年数が増えるごとに徐々に複雑となり難易度が上がります。
よく出題される問題や傾向がどう変化しているかがわかるので、何となくでよいので感覚を掴んで下さい。
STEP2:基礎・臨床医学の問題から取り掛かろう!
次に問題を年数順ではなく、項目別に勉強して詳細な内容をインプットしていきます。
国家試験の問題は、大まかに2種類あります。
- 基礎・臨床医学
- 専門問題
どちらから、先に勉強すれば良いかというと
間違いなく基礎・臨床医学から。
理由は3つ。
- 範囲が広いため、早く勉強しておいたほうが後々になってラク。
- 基礎・臨床医学を完璧にすることで、解ける専門問題があるから
- 実習後に実地問題を勉強した方がイメージし易いから
基礎・臨床医学の出題範囲はとても広いです。
これらをインプットしたうえで、実地問題を解くとスムーズに解けます。
なぜかというと、専門問題は、基礎医学・臨床医学がベースとなっている問題が多いから。
例えば基礎医学・臨床医学のこんな問題・・・
parkinson病で認められるのはどれか。2つ選べ
- 反張膝
- 前傾姿勢
- 突進歩行
- 大殿筋歩行
- はさみ足歩行
答え:2.前傾姿勢、3.突進歩行
よくあるパーキンソン病の問題です。
この問題を理解するには、パーキンソン病の4大徴候、歩行の特徴を学ばないといけませんよね。
そして、専門問題・・・
parkinson病患者の歩行の特徴はどれか。2つ選べ
- 立脚期への体幹の側屈
- 腕振りの消失
- 体幹の側屈
- 反張膝
- 下垂足
答え:2.3
最初に紹介した臨床医学の問題がわかれば、解けますよね。
基礎・臨床医学から勉強していると、スムーズに解ける専門問題が多いので、非常に効率的です。
また、専門問題は臨床実習で培った内容を問われる問題が多くあります。
国家試験の集中的に勉強をする4年生は長い臨床実習を予定しているので、実習終了後に集中的に実地問題を本格的に行った方がイメージが湧きやすくてとっつきやすいです。
もちろん実習に行く前に専門問題を制覇しておく方がベストですが、優先順位は、必ず【基礎・臨床医学(共通問題)>専門問題】です。
STEP3:効率よく勉強できる参考書・方法を決めよう!
優先順位がわかったところで、項目別で勉強していくために参考書を選ばないといけないわけですが
超効率化オタクの私が試行錯誤してたどり着いた勉強方法は・・・
「国家試験必修ポイント」と「クエッションバンク」を使って、「国試の達人の別冊問題集」を繰り返し解く
という方法です。
ここ最近、国家試験対策本があふれています。
この3つのシリーズは、10年以上も前から出版されているいわゆる老舗。
過去の理学療法士の先輩方が使ってきたという確かな実績があります。
歴代の優秀な諸先輩方は『国試合格三種の神器』と呼んでいました。
国試の達人シリーズ
国家試験を項目別に学習していくうえで、一番重要な参考書は「アイペックさんの国試の達人シリーズ」です。
白衣のドカタ おすすめ参考書
普通は出版社が編集を務めるのに、理学療法科学学会が編集を務めている信頼性が高い国家試験参考書。
国試の達人って実は書店で置いているとこが少ないんです。
超大型書店のジュンク堂や紀伊国屋でも置いていませんでした。
本屋さん6軒まわってやっと手に入れましたが、今はネットですぐ購入できるから便利です。
国試の達人は問題解説はなくて、国家試験に必要な知識や表などがシンプルに羅列されています。
丸暗記には適していますが、問題を理解するには適していません。
では、なぜ国試の達人の何が1番素晴らしいかと言うと
別冊についている、項目別問題集です。
これがめちゃくちゃ使える。
項目別問題集の良いところ
- 各項目別に年数順に並んでいるので、問題の出題傾向がわかる。
- 別冊を解くことで過去15年分の問題をほぼコンプリートできる(理学療法編は12年分)
- 問題集が薄くて軽いので、持ち運びに便利。
他の参考書だと、項目別にわけられていても、過去何年か分の「主要な問題」のみが掲載されていて、そのほかの問題が記載されていないんですよ。
ということは、他の参考書のみで勉強していては「問題漏れ」があるってこと。
この漏れが、国家試験の本番に響いてきます。
確実に合格するには最低でも10年分の過去問2000問をコンプリ―トする必要がありますが、国試の達人の項目別問題集なら過去15年分の問題が項目別に並んでいるので、効率よく勉強できます。
これが私の国試ノートです。
私は国試の達人の項目別問題集の全ページをコンビニで見開きページ4枚分をA3用紙1枚に集約印刷して半分に折ってファイルに閉じて持ち運んでいました。(4in1印刷)
見開き4枚分をA3サイズにまとめているので、一つページをめくるごとにたくさんの問題を見ることができます。
集約コピーすることで、軽くて薄いので持ち運びが容易になります。
赤ペンで答えと必須な知識を記載し、蛍光ペンで「既に完全に答えられる問題」と「答えられるか怪しい問題」を色別で分けています。
国試の達人のすごいポイント
- 網羅性:2000問の問題をコンプリートしている
- 携帯性:軽くて薄い。
- 効率性:問題が分野ごとに昔から順に並んでいる
国試の達人はやはり達人だなぁと感じる今日このごろ。
そんな「国試の達人の項目別問題集」を解いていく上で、おすすめな参考書を2冊ご紹介。
PT/OT国家試験必修ポイント
白衣のドカタ おすすめ参考書
医歯薬出版さんのPT/OT国家試験必修ポイントは、項目別で詳細な解説が記載されているのが特徴。
amazonなどで検索して頂いたらわかりますが、PT/OT国家試験必修ポイントは4冊でコンプリートできます。
- 基礎医学編
- 臨床医学編
- 基礎PT学編
- 障害別PT治療学編
医歯薬出版さんのPT/OT国家試験必修ポイントの何が良いのかというと
暗記すべきポイントがキレイにまとまっており、覚えやすい。
これに尽きる。
そのまとめた表や図を覚えるとほとんどの問題が解けてしまう。
デメリットとしては
- 問題と解説が一緒でセパレートではないため、持ち運びが面倒。
- 過去10年分のすべての問題が記載されていない(問題の勉強漏れがある)
- 問題の解説が薄め。
というところでしょうか。
でも、非常に良くまとめられた表や図は、素晴らしいです。
効率良く学ぶには必須の参考書と言えます。
クエスチョン・バンク 理学療法士国家試験問題解説
PT/OT国家試験必修ポイントは、解説内容が少し薄くて物足りないんですが、それを埋めてくれるのが
クエスチョン・バンク 理学療法士国家試験問題解説。通称、クエバン。
白衣のドカタ おすすめ参考書
クエバンは「共通問題(基礎医学・臨床医学)」と「専門問題」の2冊です。
一冊が非常に分厚く、過去問の広範囲をカバーできています。
クエバンの良いところは2つあります。
- イラストが豊富で暗記しやすい工夫が凝らされている。
- 解説がめっちゃ詳しく明記されている
例えば、全身性エリテマトーデスの特徴は
- 20~40代の女性に多い
- 発熱
- 蝶型紅斑(バタフライ・ラッシュ)
- 日光過敏症
- 口内炎
覚えるのが大変ですが、クエバンには赤面の美少女がイラストで書かれており、特徴が覚えられました。
そのイラストが萌え系でかわいいのです。
クエバンにはそういったインパクトのあるイラストや覚えやすい語呂も書いてあるので、暗記しやすい工夫が凝らされています。
そして、解説がめちゃ丁寧。
選択肢の1つずつに○か×かの理由が記載してあるので、しっかりと一問ずつ理解できます。
PT/OT国家試験必修ポイントは真面目でシンプルですが、クエバンは楽しみながら勉強できるって感じ。
私は、PT/OT国家試験必修ポイントとクエバンを片手に、ひたすら国試の達人、項目別問題集を赤ペンで解きまくりました。
STEP4:理解している問題は解かない
国試の達人の別冊問題集を繰り返し説いていくと、ほぼ完全に暗記して理解した問題が出てきます。
そんな問題を繰り返し説いていたら時間の無駄なので、付箋を貼るなどしてもう解かなくても良いように省きます。
よく間違う問題や、理解が難しい問題に集中できるようにしましょう。
STEP5:過去問をマスターすれば、アイペック模擬試験に挑戦
過去問をマスターした方は、必ずアイペック模擬試験を受験しましょう。
アイペック模擬試験とは、国試の達人を出版しているアイペックが主催している養成校や個人でも受験できる模擬試験です。
毎年12月~1月の間に合計4回あり、自分の全国の順位や、苦手分野などがわかります。
国家試験の過去問とは違い、めちゃ難しくて凹む学生も多いのですが、自分の弱点がわかるので非常に重要な試験です。
苦手な分野を把握してひたすら鍛えるためにも、必ず受験するようにしましょう。
STEP6:実戦形式で過去問をひたすら解く
過去10年分の過去問をすべて間違いなく解けて、問題を解くための必要な知識を網羅した方は
実践を同じように、10年分の過去問を1年ずつ、時間を計測しながら問いてください。
そして、間違えた問題をひたすら覚えて、対策を立てて下さい。
当日まで体調に気をつけて下さいね!
参考書をヤフオク、メルカリ、amazonなどで売る。
これで、長い長い国家試験の勉強は終わりです。
たくさん有益な情報を書き込んだ参考書とはおさらばです。
さぁ、捨てよう・・・ってもったいないですよね?
きっとあなたの手によって、書き込まれた参考書は新品で買ったときよりも、人によっては2倍、3倍の価値があります。
次に国家試験に挑む、学生さんに売りましょう。
amazonでも売れますし、メルカリやyahooオークションでも売れます。
ちなみに私は、参考書6冊セットを、約1.6万円で売りました。
古本屋に売れば二束三文ですが、ネットで直接必要としている人に売れば高値で売れます。
その浮いたお金で、ご両親にご飯でも食べさせてあげましょ!
まとめ
私が行っていた勉強方法・手順とおすすめ参考書を紹介させていただきました。
もちろん、ベストな勉強方法は人によって違いますが、少しでもお役に立てれば幸いです。
参考書はそれぞれ長所と短所があるので、複数の参考書でそれらをカバーし合う必要があると思います。
まとめると私が取った戦法は・・・
- 国試の達人別冊問題集を解いて、つまずいた所はクエバン、PT/OT国家試験必修ポイントで復習。
- 過去15年分をマスター。
- 理解した問題は一切解かない。
- アイペック模擬試験に挑戦し、残りは、実戦形式で過去問をひたすら繰り返し解く
という方法でした。
もし、超効率オタクの私が国家試験の参考書を作るなら
- 項目別に過去10年分、2000問コンプリートしている
- 問題が項目別に小さく印刷されていて、持ち運びがしやすい。
- 尚且つ、別冊に詳しい解説書がついている。
こんな問題集をつくるかなぁ・・・
もう僕は国家試験を受けることはないのですが、未来の理学療法士のために誰か作ってください!(笑