この業界では、毎年1万2000人もの理学療法士が誕生しています。
医療・介護が必要な高齢者は増え続け、2025年には後期高齢者人口が約2,200万人国民の4人に1人が75歳以上になる計算です。
その後、徐々に高齢者数が減少して・・・
需要と供給が逆転して理学療法士が売れ残るという時代が確実に来る
と言われています。
あなたは、このリハビリ業界で生き残るには何が重要だと思いますか?
- 認定・専門理学療法士の資格?
- 学会発表実績?
- 理学療法の技術・知識・テクニック?
- なんらかの院外活動?
- コミュニケーション能力?人間性?
様々なことが言われています。
この記事では、理学療法士が生き残るために必要なことを解説していきます。
あなたにとって、生き残るとは?
最近、リハビリ業界で「生き残る」という言葉をたくさん目にします。
「生き残る=戦った結果、敗者がいる。」と連想できます。
そもそも「この業界に生き残る」とはどういう状態のことを言うのでしょうか?
- 年収300万円でも、リハビリができれば良い。
- リハビリ業務と介護業務を兼業してでも良い。
- リハビリを行わなくても、リハビリに関係ある仕事ができれば良い。
- 今まで通りの年収で定年まで同じ組織でいれたら良い。
極端かもしれませんが「生き残る」という言葉だけで考えると、どれも生き残ったと言えます。
でも生き残った結果、自分の望んでいる必要最低限の環境や待遇でないと場合によっては「死んでいる」のと同じ。
なので「生き残った」といえる状況・条件は、ヒトによって異なります。
生き残ることを考える前に、自分がどういう状態であれば生き残ったと言えるのか?を決めないと話は進みません。
これからの将来を考える上で、自分で生き残ったと言える最低限の条件を考えることから始めましょう!
生き残るPT・生き残れないPTを決めるのは誰?
と、セラピストは日々努力をしています。
生き残るセラピストを選ぶのは、患者さんでしょうか?
最終的にはそうかもしれませんが、労働者の理学療法士として、生き残る場合に関しては、私はそうは思いません。
労働者としての理学療法士で生き残るのであれば、患者さんではなく、まず先に経営者、その組織の管理者から選ばれる人材にならなくてはいけない。
なので、生き残る理学療法士の特徴は、その経営者、管理者の考えによって異なる。
— シロマツ@白衣のドカタ (@hakuinodokata) March 28, 2022
セラピストが労働者として働く場所を提供しているのは、経営者であってセラピスト自身ではありません。
働く場所がなければ、患者さんから選ばれません。
よってお給料を貰えません。
なので、まずは経営者・その組織の管理者から選ばれなければいけません
そのため、その経営者・組織の管理者の考えによって、求める要素が変わってきます。
- 学術発表を行っているセラピストしかとらない。
- 認定・専門セラピストしかとらない。
- 人当たりの良い、協調性に優れたセラピストしかとらない。
- 急性期~慢性期、終末期など一とおり全部経験したセラピストが欲しい
- ビジュアル的に優れているセラピストしかとりたくない。
技術、知識を最優先する組織もあれば、人間性を最優先する組織もあると思います。
なので生き残るセラピストに必要な要素は、経営者・管理者によるため、何とも言えません。
もし、選ばれるセラピストを上げるなら「認定・専門理学療法士の取得」でしょう。
例えば、治療技術に自信のあるセラピストが面接を受けとして・・・
となります。
治療技術を本当に評価するには、雇ったあとに実際に働いて数か月ぐらい治療場面を見学して
尚且つそのセラピストはどのように考察しているか?をしっかりと聞かないと、ちゃんとした実力なんてわかりません。
しかも、そのセラピストを評価するセラピストの考え方によっても、評価は異なります。
それだけ、リハビリの技術というのは、評価するセラピストによって変わるので、形があるようでないものです。
なので、知識・技術がある可能性が高いということを証明できる資格をもっておくべきです。
また、看護師は理学療法士同様に、認定・専門看護師という資格があります。
看護業界では、認定・専門看護師を雇用していることで診療報酬が加算されます。
簡単に言うと、その病院や組織が儲かります。
現在理学療法士に関しては、認定・専門による加算はありませんが
自己研鑽をしてきた証明になるので、労働者として生き残るには強力な武器になります。
近い将来、理学療法士業界でも、そのような形になる可能性が高いと思います。
もちろん起業をしたり、フリーランスや副業で稼ぐ方は、そのような資格を持たなくても問題ありません。
でも、それなりのヒトを魅了させる「なにか」を持っていないと、成功するのは容易ではないでしょうね・・・
生き残るために必要な要素は、求める働き方で変わります、
それらをしっかり見極めた上で
- 適切な方向で
- 適切な努力を
- 適切な量で
行わなければいけません。
これからどう生き残れば良いかわからない場合
自分が将来、どんな働き方をして、どの方向を向いて努力をしなければならないのかわからない方もいるでしょう。
そういう方は不安がいっぱいなので、とりあえず技術を身につけなくちゃ!とたくさんのセミナーに参加している気がします。
自分に足りない要素を見極めた上で、それを満たしてくれるセミナーに参加するのは多いに賛成です。
でも、とりあえずセミナーに行って技術・知識を身に着ければ、まぁ生き残れるだろう。と思っている方は非常に危険です。
目的意識がなく受講するセミナーの効果は薄く、時間とお金を消耗しているに過ぎません。
(決してセミナー自体を否定しているわけではなく、自分の欠点を見極め、目的意識をもって受講することが必要ということです。)
需要と供給が逆転する時代まであとわずかです。早く行動しましょう。
なんか煽ってるみたいになってきました。不安にさせてしまったならごめんなさい。
これからの進路が決まっていない方は以下の3つを実践することをおすすめします。
1:大雑把な方向性を早く見極めて決定する
まずは大雑把でも良いので
- 労働者としての理学療法士1本で働いて極める。
- 本業+副業をして働く
- 起業をする
など自分が働くスタイルを決定しましょう。
何となくでも、わかっている方が素早く行動できます。
2:色んな分野のリハビリテーションを体験する。
急性期・回復期・慢性期・介護業界・予防介護・・・
さらには中枢、運動器、呼吸器、循環器・・・
色んな分野がたくさんあります。
自分の進みたい分野や好きな分野が決まっていないのなら、転職や非常勤で一通り経験することも一つです。
また一つの分野のスペシャリストになることも必要ですが、広範囲な知識を持つジェネラリストになることも戦略の一つです。
3:休みの日は新しい体験をする。副業をする。
これからの時代、副業は間違いなく行うべきですが
おすすめしない副業は、訪問リハビリやクリニックの非常勤です。
理学療法士が過多になると、いずれ非常勤の需要も少なくなります。
そして、ただ時間をお金に換えているだけで将来の投資になりません。
なので、休みの日は非常勤として時間を消費するのではなく、以下のようなこに時間やお金を投資するべきです。
没頭している趣味があるのなら、それを情報発信しても良いでしょう。
それがビジネスに発展して十分な副業にできる可能性も大いにあります。
始めるのが早ければ早いほど、立派な副業になる可能性は高いです。
そして、積極的に副業にチャレンジするためにも・・・・
- 少しでも給料の高い職場に転職
- 休みの日は自分の投資に使う
この2つは、理学療法士の仕事をし続けるために、非常に重要なことだと個人的には思います。
そして、今のわたしがこれです。
給料の高い職場を選択して、休日は趣味や副業に励んでいます。
給料の高い職場は見つけるのは中々大変です。
私は、転職サイトに登録しつつ、インターネットで情報収集を繰り返して現在の職場に就職することができました。
詳細は以下の記事をご覧ください。
-
【年収500万円】理学療法士は誰でも可能!?転職のコツと生活水準を解説!
続きを見る
転職するかわからないとしても、転職活動はできます。
前もって転職サイトに登録しておいて、希望の求人がアップされたらすぐに動くことで成功率が上がります。
私はとりあえず複数登録して静観しつつ、虎視眈々と良い求人を狙っていました。
個人的に使用していたのはマイナビコメディカルとPTOTSTワーカーです。
両方とも無料で求人数14,000件超えてるので推しておきます。
2025年を過ぎたら、容易に転職をしない。
もし、あなたが労働者として働くのであれば
2025年問題を過ぎたころには、需要と供給は徐々に逆転しているので転職は厳しいものになると予想できます。
転職は、椅子取りゲームです。
他の職場に空いている椅子がなければ、転職できなくなります。
そのころはすでにほとんどの席が埋まっている可能性が高いです。
それまでには「自分がベスト!と思う職場にいる」ことが重要となります。
自分が進みたい方向性を素早く見定めて努力することが、ベストな職場を見つけることに繋がります。
生き残るのではなく、自分が活きる場所を探そう。
と言っても、めちゃくちゃ給料が安かったり、ほぼ介護職であったりするかもしれませんが、どんな形でもリハビリと繋がって生き残ることができます。
もしかすると「生き残る」という言葉は、セラピストの不安から生みだされた幻想かもしれません。
重要なのは、「生き残る」ために頑張るのではなく「自分の能力が活きる場所を探す」ために頑張るべきです。
もし、ニーズがあって誰かの役に立つのであれば、社会は必ず必要としてくれるはずです。
まとめ
生き残るために必要なことなどを自分なりの考えでまとめました。
もちろん、生き残る方法なんてこの記事以外にもたくさんあると思います。
ここで、起業すべき!だとか
保険適応外で責めるべき!!
など、普通とは違う何かを書けば、夢や希望を与えられたかもしれませんが
一番安全で現実的なところを書いたつもりです。
生き残るという言葉は、不安になります。
そうは考えずに「自分の能力が活きる場所」を見つけるために頑張りましょう。
そのために業界を知ることと、自分の特性を知って鍛えることが重要です。
わたしもどういう形であれ、この業界で自分の強みが活きる場所を見つけるぞー!無かったら作るぞー!的な考えでやっていきます。
お互いに頑張っていきましょう!