映画『happy-しあわせを探すあなたへ』は、2012年、ロコ・ベリッチ監督のドキュメンタリー作品です。
アカデミー賞ノミネート監督ロコ・ベリッチ (『ジンギス・ブルース』)が、新たな映画のアドベンチャーをお届けします。 『happy – しあわせを探すあなたへ』は日本人プロデューサー清水ハン栄治と共に5大陸16か国を巡る4年間のロケを敢行し、心理学や脳医学の世界的権威と幸福度を高める鍵を読み解くドキュメンタリー映画です。エグゼクティブプロデューサーは『ナッティ・プロフェッサー』『ブルース・オールマイティ』監督のトム・シャドヤックです。
見た率直な感想を一言でいうと、しあわせな気持ちになれる映画でした。
そして、しあわせについて考えるとき、この映画を何回も見返すだろうと思う。
私の性格上、なんでも根拠や科学性を求めてしまうが故に、根性論や精神論などは大嫌いです。
しかし有名な学者さんたちが、科学性を元にしあわせについて解説してくれているので、説得力が湧いてすーっと頭に入ってきます。
そこらへんの自己啓発書を読むより、よっぽどためになりますよ。
しあわせをこれだけ科学にできるんだなと驚くばかりです。
物質的な豊かさが必ずしもしあわせにつながらないというのは、きれい事のように陳腐に聞こえるときがありますが、やっぱり事実です。家族や共同体の大切さはもちろん、この映画を通じて改めて意識したのは、他人の役に立つことで自分が充実した気持ちになることでした。- ピーター・バラカン(ブロードキャスター)http://www.happyrevolution.net/ より引用
ピーター・パラガンさんが言うように、やはり、お金=しあわせとは限らないみたいです。
うっすらとわかっていたつもりでも、納得するのには難しいものです。
そんな方は、是非この映画を見るべきです。
一部ネタバレも含んでいますが、この記事を読んでも、良い!と思ってもらえる映画だと思うので強くおすすめします。
しあわせを決める決定因子
この映画では、様々な分野の学者さんが登場し、最新の幸福に関する研究などを解説してくれているのですが、その中でしあわせを決める決定因子について話してくれています。
カルフォルニア大学の研究によると、しあわせの決定因子は、50%が遺伝によるもの。
そして、職業、財産、社会的な地位、健康などの生活環境は、たったの10%しか影響がなく
残りの40%は、人間の行動によって決定するということがわかっているとのことです。
さらに、悲しいことに、職業、財産、社会的な地位などにこだわる人ほど、人生の満足度が低いこともわかっています。
しかしながら、例え貧乏で、しあわせを感じにくい遺伝子であっても、残り40%も、ゆとりが残っているので、その人間の行動によってそれを最大化させれば幸福度は高まると言われています。
その40%はどのようにしたらかえられるのか?ということを、この映画では、「ポジティブ心理学」という考え方をベースに、世界各国の人たちを例にしながら論じています。
やっぱり人はお金ではしあわせになれない???
過去に、アメリカ人の年収は、50年前の2倍になって裕福になったとのことですが
昔の幸福度と比べて、まったく数値が変わっていないんですね。
大きな家に住んで、良い車に乗っても、幸福度は変わらないんです。
そして、ほとんどの人が「有能な人間になること=お金を稼ぐこと」と思い込んでいるようですが
それは間違いということをこの映画は教えてくれます。
それでも、人間はないものねだり。
私にはお金がないので、常にお金を求めてしまいますw
でも、お金があったとしても、人間の欲望がある限り、しあわせになれません。
そのことを快楽の踏み車という概念で紹介されていました。
どんなに富や物を手に入れても、その状態に慣れてより多くのことを求めてしまいます。
幸福度を阻害する最大の要因は、刺激に順応してしまうことだということです。
ここまで言われても、お金が欲しいと思ってしまう私はどうしようもない銭ゲバですねw
ヒトがしあわせになるには?
インドの非常に貧しい生活をしている方にインタビューしているのですが、自宅は、水漏れがあり、不衛生で決して裕福ではない暮らしをしています。
しかし、彼は、家族がいて、近所のみんなで支え合って生活しているから、自分は恵まれていて、すごくしあわせだというのです。
ここでも、やはりしあわせ=お金ではありません。
しあわせになるための方程式は人によって違いますが、
- 好きなことをすることがしあわせの人生の土台となる。
- 遊ぶこと
- 新しい体験をすること
- 友達や家族を大切にすること
- 意義のあることをすること。
- 持っているものに感謝すること
ここからしあわせが生まれるということをこの映画は教えてくれます。
しかもこの項目は、全部無料です。
お金より大事なことに時間や労力を掛けることで、しあわせになれます。
難しいようですが、簡単なようにも思えます。
日本のまちがったしあわせの価値観
アメリカ、ブラジル、デンマーク、ブータン・・・
様々な幸福の価値観が映し出さており、その人たちは決して裕福ではないのですが、自然の中で夕日を見て感動したり、仲間と海でとれたカニを食べたりと、うらやましいくらいしあわせそうなんです。
一方、この映画では、日本の間違ったしあわせが描かれており、先進国の中で、日本は、先進国で最も不幸せな国というデータがあります。
働くことを美徳にしている文化があり、長時間、過酷なストレスに耐えて、命を削って働いていることがこの幸福度を下げています。
日本独自の『過労死』についても取り上げられていました。
世界的に見ても、これはやっぱり『異常』なんですよね。
いくら医療職で人を助ける仕事をしても、長時間労働を美徳にするのは、やっぱり辞めた方が良いですよ。
訪問リハビリをして思うしあわせ
本当のしあわせとはなんだろうかと、日々考えてしまいます。
私は訪問リハビリの仕事をしており、様々なお宅へお邪魔してリハビリをするのですが
たくさんの家庭環境を見てきて、やはり裕福な家庭=しあわせとは限らないのです。
いくらお金があったとしても、家族が全く援助してくれなかったり。
広い家にベッドが一つ、ポツンとあって、一人っきりの生活であったりします。
しあわせの価値観はヒトそれぞれですが、決してしあわせとは思えません。
一方、重い障害を持って、貧乏でも、家族が熱心に介護してくれたり、友達やご近所の方たちや様子を見にきてくれたりする利用者さんもいるのですが、なぜかしあわせそうに思えます。
この映画では、健康状態も、幸福度の10%程度しか影響しないと言っていたので
やはり、しあわせとは、健康、不健康に関わらず、ヒトとヒトとの繋がりにしか生まれないのでしょう。
まとめ
映画『happy-しあわせを探すあなたへ』を見て、感想と、しあわせについてまとめました。
映画に出演している方を見ていると、本当にしあわせそうで、こちらまでしあわせな気持ちになります。
皆さん、ゆっくりとマイペースに生きていて、しあわせになることって実はとても簡単なのではないか?
そんなことを思わせてくれる映画です。
しあわせになりたいのなら、絶対に見ておきたい映画です。
amazonビデオなら、400円で見れました。お時間ある方は是非、見てみて下さい。