参考書選びって難しいですよね。
お金は無駄にしたくないし、何を基準にして買えばよいのかわかりづらい…
実際に本屋の専門書コーナーに行ってみると、リハビリ書籍がありすぎて何から見てよいやら…
過去の私は
と、たくさんのお金を無駄にしてきました…
そのお金を友達や恋人との思い出作りで使うべきだったと今でも後悔しています。
では、臨床実習生や新人理学療法士に本当に必要な参考書の特徴は?というと
- 内容がネットや論文サイトに載ってない(内容が深い)
- 実践的でレポートが書きやすくなる
- 就職後も長く使える
この3つの条件の参考書を選ぶべきです。
これから紹介する書籍は、私が読んだ限り上記の3つ条件を全てを満たしているものです。
確かに医学の本は、時間が経つと値段が下がって売れません。
理由は、医学が日々進歩しているから。
しかし、いつの時代も変わらず臨床で使える本は、あまり値下がりしません。
その証拠に名著のペリーの歩行分析は今でも高値で取引されています。
ということは臨床で長く使える知識の本は、売れやすいってことです。
なので読み終われば売って、また新しい本を買うことができます。
私は週に一回、大型書店へ行ってはリハビリ関連本を漁る参考書マニアです。
十数年間、理学療法の参考書の動向を見守ってきました。
そんな私が選んだ実習生が本当に役に立つ必要な本をご紹介致します。
リスク管理編
リハビリテーションリスク管理ハンドブック/MEDICAL VIEW
編集は亀田メディカルセンターのリハビリテーション室の方です。
あのカンブリア宮殿などにも特集されたとても有名な病院です。
リスク管理ならこの1冊で十分。
本書は臨床で必要なリスク管理の知識が網羅されています。
疾患の他にも、合併症、薬剤、血圧変動、意識障害…
などなど。学校の教科書には載っていない深い知識がわかりやすく掲載されています。
そして、全370ページほどでボリュームたっぷり。
なぜ実習生の方におすすめするのかというと
実際に評価や治療プログラムを行う際に、必ず想定されるリスク管理を説明したりレポートに記載する必要があるからです。
この教科書は、あらゆるリスク管理が記載されているので、まず問題ないでしょう。
内容もリハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン第2版などの最新のガイドラインに対応しているため申し分無し。
整形編
運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略/医学書院
森ノ宮医療大学の工藤慎太郎教授の本になります。
という疑問を驚くほどにわかりやすく解説している本です。
また整形で、誰でもがなぜ?と思う疑問をロジカルに書いています。
学生の頃の、整形の評価と言えば「前方引出しテスト陽性=前十字靭帯損傷」ぐらいの知識でしょう。
しかしこの本は違います。
- どう動かすと痛むのか?
- どこが痛むのか?
- なぜそこが痛むのか?
という3ステップとフローチャートで記載されており、めっちゃわかりやすい。
どの本よりも深く深く深く掘り下げています。
これぞ
- ネットにも書いてない
- 論文にも書いてない
- 教科書にも書いていない
生きた実践的な知識。
と思いがちですが、参考文献も大量に使われているので信頼性は抜群。
実習の1日はほぼ見学。
でもこの本を読んで見学すると、見る視点を更に増やすことができますよ。
私もこんな本に早く出会いたかった。
運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学/医学書院
先程と同じく、森ノ宮医療大学の工藤慎太郎教授の本になります。
一度は誰でも問題となっている部位を可視化できたらなぁ。
と思ったことはあるでしょう。
この本はそれが可能になったんじゃないか?
と錯覚するほど整形疾患のよくある疑問が詳細に記載しています。
一般的な医学書は
「肩関節周囲炎は夜間痛が生じる。」で終わり。
しかしこの本書は、なぜ夜間痛が生じるのか???
という誰もが疑問に思うなぜ?をロジカルにたくさんの参考文献を使って書かれています。
解剖学・運動学の知識を、より実践的な知識へステップアップさせたい方はオススメ。
臨床に出ても長く使えること間違い無しです。
脳・中枢編
筋緊張に挑む 筋緊張を深く理解し、治療技術をアップする/文光堂
日本理学療法士協会会長の斉藤 秀之先生らが編集された本です。
私の学生の頃は
と思っていました。
私が学生の頃は、筋緊張に関する専門書がほぼありませんでした。
でも、今はこんなに素晴らしい本が売られているなんて正直羨ましい。
この本は、数少ない筋緊張に関する専門書です。
筋緊張の種類、評価方法、治療から応用まで幅広く記載しています。
そして誰もが思う筋緊張の疑問をたくさんの参考文献を使用して説明されています。
ただ正直、内容的に難しい部分もあります。
でも、この本を読まずに実習に行くのと、読んでから実習に行くのとではかなりの差がつきます。
評価の立案や実習レポートでかなりの助けになるでしょう。
脳卒中機能評価・予後予測マニュアル/医学書院
知らない人はいないであろうリハ医の道免 和久教授編集の本。
あのFIMを日本に伝えた我が国を代表するリハ医です。
本書について京都大学の市橋教授が素晴らしい書評を書かれています。
初めて脳卒中の方を担当した際に
当然ですが、迷いますよね。
しかし、本書の知識があれば、精度の高い予後予測が可能となります。
あくまで予後予測は主治医が行うものですが、療法士も目標設定をするために知っておくべき知識です。
実習レポートでも、目標設定の根拠としてこの本はかなり使えます。
急性期の状態、運動機能、脳画像、FIM、年齢…
様々な予後予測法に加えて国際的に使用されている脳卒中の評価法なども記載されています。
理学療法士はどうしてもテクニックや経験則に頼りがちですが、やはりリハ医の書いた本。
大量の参考文献を使用し、データと根拠に溢れています。
しかし!予後予測はあくまで予後予測。
予後予測を超える結果を出すのが私たちの仕事だと忘れないようにしたいですね。
実習生の他にも、脳卒中リハに関わる方なら絶対に持ってくべき1冊です。
動作分析編
動作分析 臨床活用講座&動作練習 臨床活用講座/MEDICAL VIEW
一度に2冊をご紹介。
動作分析の本であれば、国際医療福祉大学大学院の石井 慎一郎教授の本をオススメします。
過去に私は、動作分析の本で文字ばかりの本を購入しました。
そういう本は、文字から動作をイメージしづらく、挫折しやすいのです(経験済み)
この本おすすめポイントは以下の3つ。
- 大量の写真が使われていてわかりやすい
- 主観的な表現は少なく、かなり具体的
- 各動作のメカニズムが詳細に記載されている
2冊目の獲得と統合では、基本動作を遂行するために必要なメカニズムを解説。
動作メカニズムの再獲得に向けた練習法を豊富なイラストと写真を用いて具体的に紹介されています。
この本を読んで、実習中に動作分析を繰り返すとかなり早く習得できるはず。
そして動作のポイントを理解できているので、動作練習で患者へのアドバイスもスムーズとなるでしょう。
運動療法編
運動療法学 障害別アプローチの理論と実際/文光堂
京都大学の市橋 則明教授が編集された本になります。
教科書として持っている方も多いでしょう。
本書は障害別の運動療法の理論と実際が記載されている本です。
最新の知見がふんだんに盛り込まれており、この本を読むことで症状や問題点に対してどのように運動療法を組み立てて行けばよいかがわかります。
実習レポートで、なぜその運動療法を選択したのか?という根拠として使える本です。
理学療法プログラムデザインⅠ~Ⅱ/文光堂
神戸大学 武富 由雄名誉教授監修、京都大学 市橋 則明教授が編集された本です。
写真はⅠとⅡですが、今はⅤまでシリーズがあります。
治療プログラムを考える際に
という学生の方も多いでしょう。
そんな治療プログラムの引き出しが少ない方は絶対持っておいた方が良い本。
患者の具体的な問題点に対して、どのような理学療法を行えば良いかがイラストで100以上記載されています。
エビデンスだけではわからない理学療法を記載した実技書です。
実習のみならず臨床に出た時も間違いなく活躍する1冊。
画像編
リハビリテーションのための画像の読み方:MEDICAL VIEW社
実習では、あらゆる画像を見て評価しなくてはいけません。
画像の本には、脳画像だけ解説している本、整形疾患の画像だけの解説している本などありますが
本書は、脳画像、胸部CT、骨・関節のMRI、CT、X線などの正常画像や代表的疾患の画像がほぼ全てこの1冊にコンプリートされています。
更にリハビリの注意点や要点もコンパクトに掲載されています。
何が言いたいかというと
この一冊で画像の基礎知識は確実にマスターできる。
そして、このような画像の本は値段が高いのだが、本書は値段が比較的安い!!!
この1冊を持っておくと、担当患者の画像と正常画像との比較がすぐできるので理解がめっちゃ進みます。
そして間違いなくレポートが書きやすくなる。
臨床に出ても間違いなく使用する一冊。
まとめ
【コスパ最強/ガチ推薦】理学療法士の実習生にオススメする参考書9選を解説しました。
ご紹介した教科書はコチラです。
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当然ですが、全て買う必要なんてありません。
若い時はお金が大事です。
学校の図書館や教科書、論文サイトなどの無料の情報をできる限り駆使して、大事なお金は遊びや恋愛に使いましょう。
参考書は就職してからたくさん買えば良いのです。
でも、いざ実習に行くと目の前の患者さんを良くしたい衝動に駆られると思います。
そんな時、このページを思い出して参考にして頂ければ、何よりもうれしいです。