腓骨筋のストレッチ、筋力トレーニング、触診、起始・停止を解説!

本記事では下腿の外側にある「腓骨筋」の起始・停止、ストレッチ、触診、筋力トレーニング等を解説します。

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腓骨筋は3つある!

腓骨筋は3つにわけられます。

  • 長腓骨筋(peroneus longus muscle)
  • 短腓骨筋(peroneus brevis muscle)
  • 第3腓骨筋(peroneus tertius muscle)

なので、腓骨筋ではなく、腓骨筋群という表現が適切なのかもしれません。

スポーツなどによる腓骨筋腱炎や捻挫などが疑われる場合は上記の3つの筋肉や腱を細かく評価していく必要があるので、判別できるようにしましょう!

長腓骨筋(peroneus longus muscle)

長腓骨筋の起始・停止

起始 腓骨頭、腓骨外側面の上半
停止 第一楔状骨の底面、第一中足骨底部
神経支配 浅腓骨神経(L4~S1)
作用 足関節の外反、底屈

足関節の外反って?

足の裏を外側に向ける運動のことを言います。

その逆を内反と言います。

歩行時に長腓骨筋は外反する役割を持っています。

もし、この長腓骨筋が麻痺してしまうと、常に足首が内反してしまい、足をスウィングするときに小指側から地面と接触してしまいます。

私たちが普段、歩行時にスムーズにスウィングできているのは、この長腓骨筋のおかげなのです。

長腓骨筋の触診

長腓骨筋を触診できる箇所は筋腹と腱で2か所あります。

長腓骨筋の触診(筋腹)

長腓骨筋の筋腹の触診は非常に簡単で、腓骨頭の下部で触診することができます。

 

被検者の方に外反を行ってもらうと非常にわかりやすいです。

外反の運動方向はわかりづらいので「足の裏を外側に向けて下さい」という指示も良いかもしれません。

長腓骨筋の触診(腱)

長腓骨筋、短腓骨筋ともに腱が足関節の外果をぐるっと巻き込むような走行をしています。

上記の画像を見てわかるように、外果の下方に2本の腱が走行しています。

 

外果の下部で

上を走行しているのは「短腓骨筋腱」

下を走行しているのは「長腓骨筋腱」です。

 

触診しただけでは2つを区別するのは難しいので、筋の収縮を感じて判別しましょう。

  • 短腓骨筋の作用は足関節外転なので、足関節外転で強く収縮。
  • 長腓骨筋の作用は足関節外反なので、足関節外反で強く収縮します。

少しわかりづらいですが、慣れればすぐに判別できるようになりますよ!

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短腓骨筋(peroneus brevis muscle)

短腓骨筋の起始・停止

起始 腓骨体外側面の下半
停止 第5中足骨粗面
神経支配 浅腓骨神経(L4〜S1)
作用 足関節外転、底屈

先ほどご説明した通り、長腓骨筋の作用は「足関節の外反」ですが、短腓骨筋の作用は「足関節の外転」です。

長腓骨筋の停止は、足関節外側面を通って足底に付着するため、外反します。

一方、短腓骨筋の停止は、第5中足粗面で足関節の外側に停止しているため、外転の作用となります。

短腓骨筋の触診

短腓骨筋を触診できる箇所は筋腹と腱で2か所あります。

短腓骨筋の触診(筋腹)

腓骨外側の2/3下方を触診しながら、足関節を外転すると。収縮を感じます。

外転を行って収縮・弛緩を繰り返すと、位置を確認し易くなりますよ!

短腓骨筋の触診(腱)

腓骨筋の触診で説明した通り、短腓骨筋の健は、長腓骨筋腱の上に位置します。

外果のすぐ下方で、足関節の外転で強く収縮する腱が短腓骨筋です。

第3腓骨筋(peroneus tertius muscle)

第3腓骨筋の起始・停止

起始 腓骨下部の前面
停止 第5中足骨基底部
神経支配 深腓骨神経(L4~S1)
作用 足関節背屈、外反

腓骨筋群の中でも一番小さい筋肉が、この第3腓骨筋です。

実はこの第3腓骨筋、約10%の方は欠損しているといわれています。

人体に必要な筋肉には違いありませんが、非常に細く小さい筋肉なため、欠損していても大きな影響はそれほどないと思われます。

第3腓骨筋の触診

足関節の外反+足趾の伸展で、第5中足骨の根本で触れます。(小指の根元)

足趾伸筋と間違えやすいので、外反を加え収縮・弛緩させるとわかりやすいですよ。

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腓骨筋のストレッチ

足を組んだ状態で、足関節を底屈、内反方向へ捻ります。(足裏を内側にしてつま先を立てる)

腓骨頭下部を抑えて、ダイレクトストレッチを行ってみても良いでしょう。

腓骨筋の筋力トレーニング

低負荷

内反した後に、5秒間ほど足首を外返したままにします。

このとき、代償として、股関節が外に広がりやすいので、純粋な足首の動きのみだして下さい。

ご高齢の方でも比較的簡単に実施することができますね。

負荷が足りない場合は、自分の手で抵抗を加えてみても良いでしょう。

 

チューブを使用して鍛える方法もありますが

  • チューブを巻き付けてセッティングするのが面倒
  • うまくチューブを固定できない
  • 負荷量が小さい

ということがあるので個人的にあまりおすすめはできません。

高負荷

母趾球に荷重してのヒールレイズ

ヒールレイズ=踵挙げは、下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)に対する筋力トレーニングですが、外反を行って母趾球への荷重を促すことで腓骨筋が強く活動します。

ポイントとしては、小趾球を外へ浮かすように踵を挙げることです。

台を使用しての腓骨筋トレーニング

台を用意します。階段などでも構いません。

親指側の半分のみを荷重し、ゆっくり踏み込むことで、腓骨筋が活動します。

手すりなどを支持物を持ち、台に乗せていない方の脚を挙上すると更に荷重量が増すので、腓骨筋群が強く活動します。

まとめ

腓骨筋の起始・停止、触診、ストレッチ、筋力トレーニングについて解説しました。

少しマイナーな筋肉かもしれませんが、覚えておきたいですね!

 

シロマツ
最後までお読みいただきありがとうございました!
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