面接って緊張しますよね…
何を聞かれるかわかりませんし、何を対策したら良いの? という方も多いでしょう。
そのような方のためにこの記事では
理学療法士の面接でよく聞かれる質問&対策を解説していきます。
今回ご縁があって、匿名を条件に大手病院の採用担当者の方にお話を聞いてきました。
プロフィール
- 名前:うさ子
- 大手病院のリハビリ科の主任。
- 面接での質問や採用検討を行っている。
- 今まで面接してきた人数は50人を超える。
この記事でわかること
理学療法士で求められる人材とは?
求められる人材
Q:理学療法士で組織が欲しい人材はどういう人材ですか?
A:医療従事者必要な基本的なことです。
組織にもよりますが、うちでは以下の3つの要素があるかを見ます。
- 安全や決められたルールを守る意識がある
- 責任感がある
- 同僚や患者、高齢者の方への気配りや心遣いがある
ビジネスと医療は少し違います。
ビジネスでは結果が大事です。
医療の場合も結果も大事なのですが、それよりも「決められたことを正しく行う過程」がとても大事になります。
なので、真面目さ、誠実さがとても重要です。
人によっては当然のことのように思えますが、いざ実践しようとなると中々難しいものです。
理学療法士の面接でのポイント
理学療法士の面接でのキホンをご説明していきます。
理学療法士の面接でのポイント
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面接でのポイント1:身だしなみ
身だしなみのポイント
Q:身だしなみのポイントはありますか?
A:スーツで清潔感があれば問題ありません。
基本的にスーツで清潔感があれば問題ありません。
例えば以下のようなことに気を付けていれば問題無しです^^
身だしなみチェックリスト
- 寝グセを直す
- ヒゲを剃る
- シャツやスーツがシワだらけではない
- コート、マフラー、ネクタイ、カバンなどが派手ではない(シンプルなもの)
- 靴下は黒色
- メイクはナチュラルに(女性の場合)
面接でのポイント2:面接で意識するべきこと
面接のポイント
Q:ズバリ、理学療法士が面接で意識するべきポイントは何ですか?
A:素直さ、協調性、誠実さです。
最初に言っておきますが
緊張しても問題ありません!!!
面接での大事なポイントをまとめると以下の3つです。
- 素直であること
- 協調性があること
- 誠実であること
採用する側の人間としては、リラックスした本当の人柄を見たいのです。
1の素直であるというのは、何でも本音で話すということではなくて、自分を飾らずに表現してほしいということです。
例えば難しい質問であれば
- すいません。
- 勉強してません。
- これから勉強していきます。
と言ってもらえたら問題ありません。
実は今の3語に全てに大事な要素が入っています。
- 「わかりません」といえた素直さ
- 「すいません、勉強していません」とすぐに自分の非を認められる協調性
- 「これから勉強します」と医療従事者として学ぼうとする誠実さ
私は、素直さ、協調性、誠実さをいつでも見ています(笑
面接でのポイント3:面接での質疑応答
面接官の本音
Q:理学療法士が回答する際に意識することはありますか?
A:結論から話すことを意識する。
面接は緊張するものです。
話しているうちに、結局何を言っているかわからなくなりがちですよね・・・
なので、せめて話の冒頭でYesかNoを言うことをオススメします。
そうすることで聞き手は非常にストレスが少なくなります。
なので話がまとまってなくても、結論から話す癖をつけたほうが良いです。
質疑応答はPREP法で話すことを意識して
質疑応答はPREP法で話すことを意識してみてください。
PREP法とは、話の内容を以下の4つにわけて話す話法です。
- Point :要点(結論・主張)
- Reason :理由(結論にいたった理由・そう主張する理由)
- Example:具体例(理由に説得力を持たせるための事例・データ・状況)
- Point :要点(結論・主張)
PREP法の例は以下の通り。
- P:私の長所は好きなことであれば努力を惜しまない事です。
- R:高校生の時、勉強は苦手でしたが、この仕事の勉強は苦痛と思いません。
- E:毎日教科書を読んだり勉強会に参加するのは、学ぶことが楽しいからです。
- P:私は理学療法が好きです。なので仕事に対する努力を惜しみません。
日頃から意識していれば、きっと説得力のある話し方が身に付きます。
理学療法士の面接でよくある質問と回答12選
質問12選&回答例
質問1:ストレスをどうやって発散しますか?
面接官の本音
Q:ストレスをどうやって発散しますか?
A:長く働いてもらうために教えて。あなたのキャラも知りたい。
対人援助職は、ストレスが溜まりやすいです。
これは私の意見ではなく、数多くの研究でも言われていることです。
なので、長く働いてもらうためにも
自分のストレスに対するセルフコントロールができてるのか?
を知りたいのでストレス解消法などを聞いています。
ストレス発散方法は、スマホ&ゲームというヒトもいます。
できれば、料理とか楽器とかその方が面接官との会話も続きやすいですけどね^^;
回答例
私はストレスが溜まると運動をします。主にマラソンです。
走った後は爽快感があり、ストレスが飛んでいってしまいます。
よく有酸素運動はうつ病に効果があるといわれていますが、私も身をもって納得しています。
質問2:なぜ当院を希望したのですか?
面接官の本音
Q:なぜ当院を希望したのですか?
A:本音を知りたい。
希望理由で多いのは「色んな疾患が勉強できる」などの勉強やキャリアアップ目的が多いです。
でも、給料が良いとか、福利厚生などの待遇面のことは思っても言えない空気感ってありますよね。
仕事を選ぶうえで、業務内容や給料、福利厚生、職場の場所など総合的に考えて選ぶのが当たり前です。
なので、
建前無しで本音で話してもらった方が信頼度が増します。
なので、家が近い。お給料が良い。知り合いがいるなどでも別に構いません。
個人的には正直に答えてもらったほうがその方の考えを知れるので好印象です。
また転職して具体的に何をしたいか?が言えるとビジョンが明確なんだなと感じて印象が良くなると思います。
回答例
貴院は、魅力的なところが多いのですが、1番は自宅から近いという点です。
前の職場は自宅から電車で1時間も離れているところでした。
年間だと膨大な時間になります。
自宅から職場が近いと、その分の時間を自己学習やリフレッシュする時間に割り当てられて、更に仕事に打ち込めると思いました。
質問3:なぜ前の職場を辞めようと決意したのですか?
面接官の本音
Q:なぜ前の職場を辞めようと決意したのですか?
A:ネガティヴな内容の場合は、これからどうするのか聞かせて
前の職場を辞めた理由でよくあるのが以下のようなもの。
- 前の職場だと残業が多くて・・・
- 給料があまりにも低くて・・・
- 人間関係のトラブルで・・・
あまりにもネガティヴな内容の場合、この人は就職して、何かあったらすぐに辞めちゃうんじゃないか・・・と不安になります。
もちろん正直に話してもらいたいですし、やむを得ない理由の場合であれば仕方ありません。
でも、ネガティヴな内容であれば、説明には十分注意をしたうえで回答してください。
可能であれば、キャリアアップなどポジティヴなことを優先して言った方が無難です^^;
回答例
私は前の職場での給与に不満があり、転職を考えました。
理学療法士として就職し、給与のことは気にならないくらい必死に臨床の勉強をして日々を過ごしました。
しかし、結婚などのライフプランを考えたところ、やはり給与のことも視野に入れなければならないと思いました。
貴院は、前職よりもお給料を高く設定されているので、そこも魅力的にも感じました。
もちろん、お給料を頂いた分以上に、謙虚に真面目に仕事に取り組みます。
質問4:印象的な患者様とのエピソードを教えて下さい。
面接官の本音
Q:印象的な患者様とのエピソードを教えて下さい。
A:あなたはその経験を通して、どう成長したの?
「患者こそ師」という言葉があります。
医療従事者は患者さんとの出会いの中で成長していくものです。
患者さんと関わる時間が長い理学療法士であれば、尚のことでしょう。
日々色々と考えて、自分がどう成長したかを振り返れるセラピストは今後も成長が期待できると思います。
このような話は、どうしても長くなってしまいがちなので、わかりやすく端的に話しましょう!
回答例
昔、重度のマヒを抱えた男性を担当しました。良くて車いす生活で自立レベルだろうと考えていましたが、患者さんに言われた言葉が今も残っています。
「先生、なんだか明日になったら身体が元通り戻ってそうな気がするんですよ。そんことはないのはわかっているけど。でもね、患者は毎日そんな明日を信じながらリハビリしているんです。誰も歩けるなんて信じないですけど、僕は信じます。先生も僕を信じて下さい。全力でサポートして下さい。」
その時、中途半端な経験則で患者の可能性に蓋をしていた自分に気が付きました。
その後、チーム内でリハビリを全力でサポートして、最終的に歩行見守りレベルで退院されました。
この経験から患者さんの可能性を自分の経験則だけで思い込むのは辞めようと思いました。
辛いときや挫けそうな時はこの言葉を思い出して自分にカツを入れています。
質問5:あなたの弱み、短所は?
面接官の本音
Q:あなたの弱み、短所は?
A:自分を客観的に見れてる?改善しようとしているの?
短所をちゃんと自分で客観的に見れているか?
どう改善しようとしているのか?を知りたいと思っています。
実際に臨床での具体的なエピソードも添えて話すと理解度が増します。
なので、具体的なエピソードをしっかり話せるようにネタを考えておいたほうが良いでしょう。
回答例
私の短所は、優柔不断なところです。
症例検討会などで、上司から評価に時間が掛かりすぎているとよく怒られていました。
技術的にも未熟というのはあるのですが、ある程度答えは出ているのに考えすぎてしまうのです。
なので、最近は自信を持つためにも自己研鑽に努めて、自分はプロであるという自覚を持つようにしています。
そして迷った際は、すぐに相談するように日ごろから心がけています。
質問6:最近、イラッとしたことはありますか?
面接官の本音
Q:最近、イラッとしたことはありますか
A:ちょっとしたことで感情的にならない?
患者さんをリハビリするにあたって、イラっとするときがありますよね。
特に若い方だと感情的になりやすく、正しい選択ができにくくなる傾向もあります。
その時にちゃんと「自分は気持ちを切り替えられる」ということをエピソードも交えて教えて欲しい頂ければ良いでしょう。
回答例
自分が一生懸命考えたリハビリプログラムを同僚にバカにされた時に少しイラっとしたことがあります。
ただそういった場合、顔や態度に出さずに、笑顔でいるように日ごろから心がけています。
そういう時は深呼吸して、家に帰っておいしいものを食べて気持ちを切り替えるようにしています。
質問7:何か質問はありますか?(逆質問)
面接官の本音
Q:何か質問はありますか?
A:うちで働く具体的なイメージできてますか?
いわゆる逆質問というやつです。
働いた後の自分を想像できていないと、中々答えられない質問だと思います。
あと、HPを見てわかる質問が来たら、少し残念かなと思いますね^^;
例えば就職にあたって勉強したほうが良いことはありますか?
などが多いですね。
回答例
- 貴院に多い疾患や勉強しておいた方が良いこと
- 育児休暇などの福利厚生
- 就職後の研修について
- 1日何単位を受け持つのか?
- 有給休暇は取れそうか?
質問8:趣味は何ですか?
面接官の本音
Q:趣味は何ですか?
A:あなたの人間らしい一面が知りたい。うちのスタッフと仲良くできるのかな?
職場の人間関係は長く働く上でとても大事です。
趣味で採用不採用を決めるわけではないですが、趣味の話でリラックスしてもらって、その人のキャラクターを知れたらと思っています。
うちのスタッフと仲良くできる場面が浮かんだらうれしいです^^
回答例
私の趣味は料理です。
最近だとyoutubeなどでお菓子などを作っています。
でも作りすぎてしまって、食べ過ぎてしまいます。
たまに友人や職場にもっていっておすそ分けすることもあります。
質問9:5年、10年後あなたはどうなっていたいですか?
面接官の本音
Q:5年、10年後あなたはどうなっていたいですか?
A:キャリアプランを聞かせて。うちの組織で達成できるかな?
キャリアプランなんて考えてない方がほとんどです。
まだわからなければ、わからないと答えて頂いて問題ありません。
例えば、回復期病院の面接なのに、将来的にはスポーツ分野に行きたいとか、小児分野に行きたいとかになると・・・少し、えっ?ってなります。
いざ就職したとしても、自分とのキャリアプランに相違があった場合にすぐに退職されます。
この質問はそれを防ぐ目的もあります。あと
- 出世する気があるの?
- それとも無いの?
- どれくらいの熱量?
という所も聞きます。
やはり、役職のポジションも限られているので…
回答例
私のキャリアプランとしましては、5年~10年で脳卒中認定理学療法士を取得して、若手育成に関わりたいと考えています。
貴院ではより多くの脳卒中の患者さんがおり、尚且つ多くのセラピストが在籍しているため、取得するには最適と考えました。
質問10:苦手なタイプはいますか?
面接官の本音
Q:苦手なタイプはいますか?
A:苦手なタイプにはどうやって対応しますか?あなたの処世術を教えて。
職場には色んなヒトがいます。
どんな人が苦手で、そのような人にはどういった対応をしますか?というところを聞きたいです。
いわゆる処世術ですね。
処世術:社会生活をしてゆく上の方策。世渡りの方法。
セラピストは苦手な人への対処が得意な人が多い印象です。
回答例
苦手なヒトは、自慢をするヒトです。
努力してきたのはわかるのですが、すごいかどうかを判断するのは周囲のヒトなので、少し困ります。
ですがここ最近は私も大人になり、そういったヒトには笑顔で「すごいですね」と言うようにしています。
質問11:リーダーとしての経験はありますか?
面接官の本音
Q:リーダーとしての経験はありますか?
A:人をまとめた経験があるのなら教えて下さい。
出世意欲が高かったり、将来はマネジメントや役職を希望したりする人によく聞いています。
特に経験が無かったからと言って不採用にすることはありません。
ただ、日頃から人をまとめることを意識されている場合は、オッと思いますね。
そのような人材は貴重なので…
ですが、リーダーシップをアピールし過ぎるというのも問題です。
そういうような方はすごく意識が高いのですが、それぞれ職場の風土というものがあります。
リーダーシップが強い方は、周囲のスタッフに良くも悪くも周囲に与える影響は大きいです。
私たちは、そこをしっかり見極める必要があるかなと^^;
回答例
仕事ではまだありませんが、学生の時は、バレー部でキャプテンをしていました。
常にどうしたらチームのみんなが笑顔でプレイできるかを考えて
まずは、自分が手本を見せたり、率先して場の雰囲気を作ることで良いプレイができるようになった経験があります。
そのことからヒトをやる気にさせたり、動かすのは常に自分から率先して動く必要があるのだなと感じました。
質問12:この業界の将来はどうなると思いますか?
面接官の本音
Q:この業界の将来はどうなると思いますか?
A:業界の動向をきちんとわかってる?自分がどういう立場でいたいの?どんな努力してるの?
ポジティヴに返答される方もいれば、ネガティヴに考える方もいらっしゃいます。
正解はありません。
ポジティヴに捉えると高齢者はここ数十年は年々増加して理学療法士の需要は拡大していくでしょう。
ネガティヴに捉えると理学療法士は毎年増加傾向で過剰供給から診療報酬も下がる可能性が高いと予想しています。
明るいか暗いかは関係なく、自分たちの業界を俯瞰して見る力は、非常に大事です。
自分たちの業界を俯瞰して見れる方は、視野が広いので自主的に様々な取り組みをされています。
ただ「うーん、特に考えていないです。」という回答であれば、少し残念ですね^^;
回答例
一般的に高齢者が増加して、更に理学療法士の需要は増える半面、理学療法士は毎年増加傾向で過剰供給気味と認識しています。
この先、知識、技術のない理学療法士は淘汰されていく可能性が高いと思うので、認定理学療法士を取得して自己研鑽に励もうと考えています。
面接対策に不安のある方は転職エージェントを利用するべき
面接は緊張していまいますよね。
でも、今までの内容を振り返ると
きちんとした対策をとって練習をしていれば、問題ない
ことがわかると思います。
とお悩みで、まだ転職先が決まっていない方は、転職エージェントを利用しましょう。
今の時代、転職活動で転職エージェントを利用するのが当たり前になってきました。
登録することで、エージェントから面接でのアドバイスや実際に面接練習も行ってくれます。
また膨大な求人の中から、あなたにあった求人をピックアップしてくれます。
1分で登録できますし、何より無料。
使わない理由はないのですが、注意点があります。
求人数の少ない転職エージェントは情報収集で効率が悪い。
当然の話、求人数の多い方が選択肢が増えます。
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以下にリンクを載せておきます。宜しければどうぞ~!
>>【求人数1位は?】リハビリ転職サイトの求人数を毎月調査&徹底比較!
まとめ
実際の病院での採用担当者の方からお話を聞きました。
求める理学療法士人材像
- 安全や決められたルールを守る意識がある
- 責任感がある
- 同僚や患者、高齢者の方への気配りや心遣いがある
面接でのポイント
- 素直であること
- 協調性があること
- 誠実であること
回答はPREP法だと伝わりやすい!
- Point :要点(結論・主張)
- Reason :理由(結論にいたった理由・そう主張する理由)
- Example:具体例(理由に説得力を持たせるための事例・データ・状況)
- Point :要点(結論・主張)
個人的に、長く働いてくれるか?というところも採用担当者は意識してるんだなと感じました。
もちろん組織によって基準は異なりますが、今までご紹介した内容はとても参考になると思います。
ぜひ、転職での面接対策に役立てて頂ければと思います。
もし、よくある質問で見落としがあるのなら、以下の表をタップして項目へ飛んでください。
質問12選&回答例