こんにちわ。
訪問看護ステーションで訪問リハビリをしています、理学療法士のシロマツと申します。
- 「訪問リハビリって給料がよいって本当?」
- 「転職したいんだけど、将来性が気になる!」
- 「働きやすいの?ぶっちゃけた話、どうなの?」
と、いろんな方からお問い合わせを頂きます。
そりゃ人によって良いと思える条件なんて異なるしなんとも言えませんが、僕の場合、年収は1.5倍くらいになったし、プライベートでは家族との時間も増えました。
僕は何も知らずに在宅に飛び込んだんですが、中にはブラックな事業所もあるという話も聞くので、ただ運が良かっただけかもしれません。
今思えば転職する前に知っておいた方が良かったことがたくさんあります。
タイムマシンがあれば過去に行って、当時の自分に教えてあげたいくらいです。
なので!この記事では、訪問リハビリへの転職を考えているあなたに!
私が思う、必ず知っておいた方が良いことや、転職する際に確認すべきポイントなどを解説していきます。
訪問リハビリは2種類ある!
訪問リハビリといっても、2種類あります。
これを理解してないで転職するのは後悔しますよ!
ここめちゃくちゃ重要です。テストに出ます!(ビシッ!!!)
ポイント
- 病院や老健などの医療機関、介護施設からの訪問リハビリ
- 訪問看護ステーションからのリハビリテーション
やってることはほぼ同じなんですが、制度や環境が少し違うところがあります。
説明しますね!
病院や介護施設からの訪問リハビリ
病院や介護施設からの訪問リハビリは、介護保険法で下記のように定められています。
この法律において「訪問リハビリテーション」とは、居宅要介護者(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生労働省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)について、その者の居宅において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションをいう。
引用:介護保険法施行規則,第8条,第5項
わかりやすくいうと訪問リハビリとは「医師に指示のもと、在宅に訪問して、必要なリハビリテーションを行う」ことです。
訪問リハビリ事業所は、医師が在籍している施設(病院、クリニック、介護老人保健施設)でないと開設できません。
なので、医療機関や介護施設からの訪問リハビリを行うためには、病院、クリニック、老健などに就職することになります。
訪問看護ステーションからのリハビリテーション
介護保険法では下記のように定められています。
4 この法律において「訪問看護」とは、居宅要介護者(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生労働省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)について、その者の居宅において看護師その他厚生労働省令で定める者により行われる療養上の世話又は必要な診療の補助をいう。
引用:介護保険法施行規則,第8条,第4項
ややこしいですが、簡単に説明すると「医師の指示をもらい、在宅に訪問して、看護師などが必要な看護を行う」ことです。
訪問看護ステーションからのリハビリを行うためには、訪問看護ステーションに就職することになります。
でも、訪問看護ステーションってイメージが湧かない人も多いですよね。
訪問看護ステーションの特徴を簡単にまとめるとこんな感じ。
訪問看護ステーションの特徴
- 病気でも在宅で暮らしたい人に、医師の指示のもと、看護師やセラピストが訪問する
- 正看護師が約3人いれば開業できる。(正しくは常勤換算人数2.5人)
- 条件が揃えば、病院や一般企業でも開業可能
- セラピストはいなくても開業できる。
- 「訪問リハビリ」ではなく「訪問看護ステーションのリハビリテーション」という表現が正しい。
- リハビリテーションは、あくまで訪問看護の一部。
- 看護師の代わりに理学療法士や作業療法士が訪問するという位置づけ。
これまでの「医療機関・介護施設での訪問リハビリ」と「訪問看護ステーションからの訪問リハビリ」をわかりやすく図式化するとこのようになります。
こんなシンプルな図だけど、作るのに2時間掛かりました。
人に伝えるのって難しい・・・(涙)
理学療法士・作業療法士目線でまとめると
- 訪問リハビリ:自分の所属している病院や介護施設のお医者さんに定期的に診察や指示をしてもらって在宅でリハビリをするサービス。
- 訪問看護ステーションのリハビリ:外部のお医者さんに指示をもらって、看護師の代わりに在宅でリハビリするサービス
という認識です。
さて「訪問リハビリ」と「訪問看護ステーションでのリハビリ」おおまかな違いがわかったところで、転職の話をしていきます!
「訪問リハビリのある病院・施設」か「訪問看護ステーション」転職するのならどっち?
「訪問リハビリのある病院や施設」と「訪問看護ステーションでのリハビリテーション」転職するのならどっち?とよく聞かれます。
業務としてやることはどちらもほぼ同じです。
転職先にどちらが良いとは一概には言えませんが、それぞれ一長一短、違いがあるので理解した上で選びましょう!
どっちか年収・給料面が良いの?
どちらが給料が高いと決定的には言えませんが、全体的に訪問看護ステーションの方が給料が高い傾向にあります。
訪問看護ステーションは、病院と比較して運営コストは低いといわれています。(事務所はマンションの一室でもOK。バイク、自転車の維持費、他雑費など)
その分、人件費に回せるということもあって、少し高めに設定しているところが多いです。
一方、訪問リハビリは病院や介護施設の維持費が掛かるので、売り上げはそこに回される傾向があります。
それは仕方ないですよね・・・病院や施設を経営するのは恐ろしいほどお金が必要ですから・・・
どっちが将来性あるの?
訪問リハビリと訪問看護ステーションのリハビリテーション、どちらが将来性があるのでしょうか?
需要で考えると、これから高齢化社会なので、両方共に将来性は十分あります。
でも、収益性で考えると両方とも診療報酬・介護報酬が年々下がってきているので、どちらも将来性があるとは言い切れません。
また、年々、訪問リハビリ・訪問看護ステーションは増加しており、その傾向は続いていく見込みです。
今後、事業所ごとに勝ち組と負け組の2極化することが予想されます。
引用
そんな中で、将来性が厳しいと思うのは、リハビリスタッフ中心の訪問看護ステーションです。
そういった訪問看護ステーションは、看護師が少数なのに対してリハビリスタッフが多く在籍しています。
年々、そういったリハビリ系訪問看護ステーションが増えており、厚生労働相や訪問看護協会が意義をとなえました。
- 厚生労働相の調査研究の結果、看護師と理学療法士、作業療法士の連携が取れていない事業所がある。
- 看護師の代わりに理学療法士、作業療法士が訪問しているという位置づけなのに、どういうこと???
- なんか対策した方が良くない?
参考資料
うん。確かにおかしいですね。
これじゃぁ訪問看護ステーションじゃなくて、訪問リハビリステーションです。
今まで訪問看護ステーションは、理学療法士や作業療法士のみの介入が可能でした。
でも!2018年4月からリハビリのみ利用する場合「最低3か月に1回は看護師が訪問して、理学療法士や作業療法士に情報共有をしないといけない」という制度に改正されました。
ということは、理学療法士、作業療法士が多い訪問看護ステーションは、看護師の人出が足りなくて、算定できない可能性も出て来たってことです。
これからのことはまだわかりませんが、今後、更にリハビリ系訪問看護ステーションが制度的に不利になっていくと私は予想しています。
ポイント
Q:訪問リハビリと訪問看護ステーションのリハビリ、どっちが将来性があるの?
- 一概に言えないが、厳しいのはリハビリ中心の訪問看護ステーション。
- もし、訪問看護ステーションに転職するなら、看護師と療法士のバランスが取れている訪問看護ステーションにした方がいい。
- できれば7対3くらいがベスト。(看護師が7)
転職する際のチェックするポイント
給料と将来性を解説したところで、転職する前に必ずチェックしておいた方が良い項目をリストアップしました!
- 開業してからの年数
- 看護師と理学療法士・作業療法士の割合
- 給料形態は?歩合制?
- 営業活動は強制される?
- 空き時間の過ごし方は?
- 移動は自転車?バイク?車???
是非、転職の際に役立ててくださいね!
開業してから年数が経っている?
これめちゃくちゃ重要です。
「長く経営できている」=「それだけ地域から信頼されている事業所」ってことです。
そのような事業所は、地域からの認知度が高いため、たくさん新規依頼が来ます。
一方で起業から間もない事業所は、新規依頼も少なく、利用者を老舗の事業所に回されがちなので、かなり厳しいことが想像できます。
なので、長く経営している事業所の方が経営状態が安定していることが多いので、転職先には無難です。
でも、起業して間もない事業所にも転職するメリットはあります。
それは、社員数も少ないので、能力を認められれば、管理職や経営に携われるかもしれないということです。
管理者や経営に携わると中々大変ですが、普通の理学療法士にはない経験ができ、良いキャリアを築くことができます。
一概に経営期間の長さで良い・悪いは決められませんが、自分が何を望むかがで判断するべきだと思います。
ポイント
Q:経営期間が長い事業所・短い事業所どっちが良いの?
- 比較的安定を望むのなら、起業から年数が経っている事業所
- リスクがあってでも自分の力で一旗上げたい!って方は起業から間もない事業所
理学療法士・作業療法士よりも看護師が多い事業所の方が良いの?
訪問看護ステーションに就職を考えている方の場合は、できるだけ、理学療法士・作業療法士よりも看護師の数が多い事業所を選んだほうが良いです。
先ほども説明した通り、今後、リハビリ中心の訪問看護ステーションは制度上、さらに厳しくなってくるのは目に見えています。
国の方針は「しっかりと看護師、セラピストで連携をとれ!」ということですが看護師が少なく、リハビリが多いと連携が難しくなります。
国の方針に対して、反対を向く事業所はリスクが高く、制度改正時に最悪リストラの対象になる可能性も否定できません。
なので訪問看護ステーションに就職する場合は、看護師が多い事業所に転職した方が安心かと思います。
ポイント
Q:訪問看護ステーションに就職する場合、理学療法士・作業療法士よりも看護師が多い事業所の方が良いの?
- 看護師が多い事業所を選択した方が安定だと思います。
給料形態は歩合制の方が良いの?
歩合制とは、訪問件数が多ければ多いほど給料が上がる給与システムです。
多くは「月給+歩合」で、月何件以降は1件あたり1500~3000円って感じです。
歩合制って良いですよね!
やる気が出るし、うまく行けば大金を稼げる!
なので給与形態は歩合制が良いに決まってる!!!!と多くの方は言います。
現在の私の職場は「月給+歩合」です。
就職してけっこう経つのですが、最近になって「固定給でも良いかな・・・」と思うようになりました。
理由は以下の通り。
- 給料が安定していない。
- 精神的に不安定になる。
- 件数を回らないといけないので忙しい。
- 有給取れず、休めない。
歩合制は給料が安定していないんですよね。
急な入院であったり、施設入所したり、お亡くなりになられたりと、いろんな理由でリハビリが終了となります。
その都度「あぁ、今月の給料厳しいなぁ・・・」と心配をして、結構なストレスになります。
とくに家族がいる人にとっては死活問題。
なので、稼ぐためにひたすら件数を回るのですが、すごい事業所では、一日10件とか訪問して、訪問終わったことには19時とか・・・
そうとなればすごく稼げますが、考えてみて下さい。
今は若いからできますけど、40、50歳になったとき、その件数こなせますか?
熱い夏や寒い冬でも訪問できますか?
僕には無理です(涙
なので、個人的な意見としては、件数は抑えるか、固定給の職場で早く帰って自己研鑽した方が将来のためになるんじゃないかなぁと思います。
今となっては、件数が減ったとしても「お給料が減っちゃう!」など余計な心配することはなくなりました。
ここまで、アンチ歩合制のような意見を吐いていますが
要は「お金と時間と精神面のバランスをどのようにとっていくか」だと思います。
10~20年後の自分を想像して検討してみてください!
ポイント
Q:給料形態は歩合制の方が良いの?
- 多少、給料面に変動があっても、良い暮らしがしたい。稼ぎたい。年をとっても体力的に自信がある!という方は歩合制。
- 給料は高くなくても、早く帰ったり、時間的に余裕のある生活をして自己研鑽したいという方は、歩合制じゃなくて良いかも
営業活動が強制されるか?
病院であれば、何もしなくても患者さんは来るので仕事が保証されているようなもんです。
でも、訪問リハビリテーション事業所や訪問看護ステーションの場合は待っていても利用者は来ません。
依頼をもらったとしても、もらい続ける保証はなんてどこにもないので、地域のケアマネさんなどに営業活動が必要となります。
事業所によっては、営業専門の社員を雇ったり、役職のある社員に営業を依頼したり、場合によっては一般社員も営業活動します。
事務所にいたら「ボーっとしてんなら営業周り行ってこい!」と一喝する会社があるとか・・・
我々セラピストは、利用者さんとのリハビリテーションをしっかり丁寧に行うことが最大の営業なのですが…
通常業務に加えて営業業務を任されたら大変ですし、ノルマなど課せられたら本業がおろそかになります。
なのでできるだけ、営業活動を行わなくて良い、本業に集中させてくれる事業所や営業専門の社員や役割を持った人がいる事業所を選んだほうが良いと思います。
ポイント
Q:営業活動が必須の事業所は大丈夫?
- 営業を強制されるような事業所はやめておいたほうがいいかも
- 営業専門の社員や役割を持った人がいる事業所を選ぼう
空き時間の過ごし方
基本的に訪問がなければ事務所待機になる事業所ほとんどで、その時に事務作業や書類作成業務をまとめて行います。
でも、訪問時に1件でも空き枠があれば、わざわざ事務所に戻ってきて書類業務や電話番をしなくてはならないという事業所もあるようです。
確かに会社と8時間労働を契約している職員としては、その時間内は組織に尽くすのは当たり前。
その考えはわかるんですが、電話番のために事務所に戻る移動時間ももったいないし、わずかながらでも移動距離が長くなるので事故のリスクも上がります。
それなら、その空き時間をケアマネさんとの業務連絡の時間にしたり、リハビリの勉強などの自己研鑽の時間にした方がモチベーション上がって生産性が高くなると思いません?
なので、転職するなら空き時間の過ごし方を強制しない、スタッフ個々の力が発揮できるような環境を提供してくれる会社にした方が良いと思います。
ポイント
Q:空き時間の過ごし方を自由にさせてくれる事業所が良いか?
- 空き時間を自由にさせてくれる事業所の方が、ストレスなく働けて、モチベーションも上がると思います。
移動は自転車?バイク?車???
訪動手段は重要です。訪問時に利用する乗り物は下記の通り。
- 電動自転車
- 原付バイク
- 125CCバイク
- 車
- 各スタッフの自前の乗り物
事業所や場所によって、それぞれの乗り物が選ばれます。
中でも、バイクは駐車場所を取らないし、渋滞も関係ないので都市部などでは1番選ばれているように思えます。
でも、最も事故したとき大怪我をしやすい乗り物は、バイクです。
僕はバイクで訪問していますが、相手の不注意で何回も死にかけています。
人生豊かにするためのお金を稼ぐために、怪我したり、死んじゃったら本末転倒。
仕事で、四六時中乗り物に乗っている以上、事故はつきものですが、電動自転車や車での訪問の方が比較的安全です。
でも、電動自転車は、幅広いエリアを訪問できませんし、車なら訪問するたびに駐車場を探さなくてはいけません。(田舎であれば問題ありませんが)
最悪、たくさんの件数がこなせない可能性もあります。
それぞれメリット、デメリットはありますが、自分が何を望むかをはっきりさせた上で移動手段を選びましょう。
ポイント
Q:移動は自転車・バイク・車、どれが良いかの?
- バイクは、事故などのリスクは高いが、幅広いエリアをカバーして、件数を回れる。歩合制には良いかも。
- そこまで件数を望んでいないのであれば、電動自転車、車で訪問するのもあり。
訪問リハビリ・訪問看護ステーションに転職するのなら早めの決断を!
在宅分野はお給料が良いため、転職する方のほとんどが、結婚や出産などで家族ができた方が多いです。
私もそのうちの1人。
- 少しでも家族に良い暮らしをさせたい。
- パートナーや子供との時間を大事にしたい。
- 子供のしたいことにチャレンジさせてやりたい。
- 良い父親、母親でいたい。
そんな気持ちで転職しましたが、今のところその希望は実現できていると思います。
転職を決断するのはかなり時間がかかってしまいますが、徐々に在宅分野に転職するセラピストは増えていて、待遇の良い事業所から求人が無くなっていきます。
自力で待遇の良い求人情報をかき集めるのはかなりの労力と時間が必要なので、転職サイトを利用することをおすすめします。
実際に私は登録して、サービスを使い倒して今の職場に就職できました。
向こうもビジネスなのですごく熱心に答えてくれます。
転職サイトの登録は基本的に無料。
でも、ただ登録して受け身のまま「ハイハイ」と言っても理想の職場は見つかりません。
こちらからしっかりと考えを話して、得られた情報をどのように取捨選択するかで、良い転職ができるか決まります。
以下の記事では、理学療法士の求人サイトの求人数を毎月カウントしています。
よろしければどうぞ
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まとめ
訪問リハビリへの転職で知っておくべきことと確認すべきポイントを解説しました。
色々書きたいことがあり過ぎて、気がつけば8000文字を超えてました・・・
注意点などが多すぎて惑わせてしまったかもしれません。
ご自身の考えに合わせて都合よく情報を取捨選択してくださいね。
皆さんが少しでも良い事業所に転職できるように心から願っています。